日本の食卓には、大豆はなくてはならない存在ですが、実際どれくらいの大豆食品があるかご存知ですか?
使う機会の多い味噌、醤油、豆腐などはすぐに思いつきますよね。それ以外にも大豆を使った食品は実はたくさんあるんです。
今回は、大豆の万能さが分かる「大豆食品の世界」をご紹介します。
蒸す、絞る、発酵させる。
とにかく奥深い大豆ファミリー。
大豆のすごさは、なんといってもその加工の幅広さ。
蒸したり、煮たり、絞ったり。揚げたり、煎ったり、発酵させたり……。とにかくあらゆる加工方法に対応した食品が存在しており、しかもその種類は今も増え続けているのです。
こちらは、農林水産省が紹介している大豆食品の一覧です。
大豆を中心に、まるで家系図のようです。どれもおなじみの顔ぶればかりですね。
そのまま食べてもいいし、飲んでもいいし、隠し味にもメイン食材にもなる。これほど展開のしがいがある食材もなかなかありません。
大豆がいかに日本人の食生活を支えているかが分かりますね。
アジア各地を中心に、
さまざまな大豆食品が食べられている。
大豆食品をよく食べているのは、日本だけではありません。
日本のソウルフードともいうべき豆腐も、実はアジア各国で食べられています。
中国の「トウブ」、タイの「タウフ」、ベトナムの「ダウフ」、ミャンマーの「ドウフウ」、韓国の「トゥブ」、インドネシアの「タフ」、どれも全て豆腐を指し、作り方もほとんど同じです。
また、インドネシアには「テンペ」と呼ばれる発酵大豆があります。テンペ菌という菌で無塩発酵させた食品で、「インドネシアの納豆」と呼ばれることも。また、タイではバナナの葉で発酵させた「トゥアナウ」という発酵大豆があります。
そのほか、中国で「豆鼓(トウチー)」という黒大豆を発酵させた塩辛い調味料があり、中華料理でよく使われています。また韓国には「黄醤(ホワンジャン)」という味噌があります。
大豆はもともと中国が原産と考えると、アジア各国で食べられているのも納得ですね。
健康を考えた大豆食品が、
どんどん登場している。
味噌や納豆のように昔から食べられてきた大豆加工食品とは別に、最近では大豆が持つ高い栄養素や機能性成分を活かした「健康のための大豆食品」が増えてきています。
例えば、大豆粉を使ったお菓子や、豆乳をベースにした健康飲料、大豆イソフラボンに着目したサプリメント、大豆たんぱく質のプロテイン。大豆100%麺の「九州まーめん」も、大豆食品のひとつです。実にさまざまなものがありますが、どれも健康を意識した食品である点が特徴です。
日常的に大豆食品を摂っていた昔と違い、食生活の欧米化により、大豆の摂取量は年々減少傾向にあります。それでも、健康志向の大豆加工食品が増えている理由は、私たち日本人が大豆の持つ栄養に絶大な信頼を寄せているからなのかもしれません。
これからも、時代に合わせた大豆の食べ方がいろいろと生まれるはず。美味しくて機能的な大豆の素晴らしさを、次の世代にも伝えていきたいですね。
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参考:
服部幸應+だいずデイズ大豆研究所(2017)『大豆の学校』OVJ.
農林水産省HP>政策統括官>米(稲)・麦・大豆>大豆のホームページ