玄米の糖質を知ろう!白米との違いやダイエットにも効果的なおいしいレシピも紹介

玄米の糖質を知ろう!白米との違いやダイエットにも効果的なおいしいレシピも紹介

数あるダイエット方法の中でも低糖質ダイエットは、現在主流といえる方法。とはいえ、糖質、特に主食となる「ごはん」などを減らすダイエットですから、体力的にも精神的にもツラいため、リバウンドを誘発する原因にも。

そこで注目したいのが「玄米」です。健康的なイメージはあるけれど、いつもの白いお米とは印象が違うし、ちょっと食べにくそうなイメージもあります。

そんな玄米のことを知るために玄米の基本知識や、どのような栄養素があるのかを確認しましょう。またダイエットにどのような効果があるかについても解説します。

玄米とは?

玄米とは?

玄米は「完全食」ともいわれるほど、栄養素がたくさん詰まった食材です。そもそも玄米とはどのようなものでしょうか。

玄米の基礎知識と精白米との違いについて確認しましょう。

そもそも玄米とはどのようなお米?

日頃食卓に載る「ごはん」は、いわゆる「白米(精白米)」が多いのではないでしょうか。糠(ぬか)や胚芽(はいが)を取り除き、ほぼ胚乳(はいにゅう)だけにしたお米で、甘みを感じやすくなり、色が白くなることから一般的には精白米と呼ばれます。

その精米前のお米が「玄米」です。田んぼで収穫した稲を茎から外す「脱穀」をして、お米を守っている「籾殻(もみがら)」を取り除いただけの状態。お米の鮮度を維持しやすいので、昔は玄米のままで保存して、食べる分だけ精米するご家庭も多かったそう。

スーパーで売られているお米の大多数は精米済みのお米ですから、意識しないと玄米を見かける機会は少ないでしょう。

玄米の3つの種類がある

玄米には大きく3つの種類があります。

一つ目が玄米。籾殻を取り除き、糠と胚芽と胚乳のすべてが揃った状態です。

二つ目が胚芽玄米で特別な精米機を使い、栄養が豊かな胚芽の保有率を高めた玄米です。

三つ目が五分づきや七分づきと言われる玄米。完全に精米しないで、途中で取り出すことで、糠と胚芽を適度に残します。精白米のおいしさと栄養豊富な玄米のいいとこ取りをしたお米です。

玄米と白米の糖質の違い

糠と胚芽に含まれた豊富な栄養素が玄米の魅力。実際の栄養素はどれくらい含まれているのでしょうか。

糖質を中心に、タンパク質、脂質、ビタミンB群、マグネシウム、カリウムなど玄米が豊富に含む栄養素を見てみましょう。ちなみに、通常お茶碗1杯のごはんは約150gで、炊飯前のお米お米だけでは約65gです。

玄米・五分づき玄米・七分づき玄米・胚芽玄米・精白米の65gに含まれる栄養素量
玄米:糖質51.3g/エネルギー228kcal/タンパク質4.2g/脂質1.5g/ビタミンB1 0.24mg/マグネシウム74mg/カリウム140mg
五分づき玄米:糖質53.4g/エネルギー231kcal/タンパク質4.1g/脂質0.9g/ビタミンB1 0.12mg/マグネシウム33mg/カリウム65mg
七分づき玄米:糖質54.3g/エネルギー240kcal/タンパク質3.9g/脂質0.8g/ビタミンB1 0.09mg/マグネシウム20mg/カリウム53mg
胚芽玄米:糖質49.8g/エネルギー242kcal/タンパク質4.5g/脂質2.1g/ビタミンB1 0.20mg/マグネシウム80mg/カリウム100mg
精白米:糖質55.2g/エネルギー234kcal/タンパク質3.8g/脂質0.5g/ビタミンB1 0.03mg/マグネシウム11mg/カリウム44mg

玄米にもっとも糠や胚芽の部分が多いので、相対的に糖質はもっとも少なくなります。同じごはん1杯であれば精白米よりも玄米の方が糖質を抑えられます。
注目すべきは精白米に比べ、マグネシウムが玄米で約6倍、五分づき玄米で約3倍。カリウムも玄米で約3倍、五分づき玄米で約1.5倍とミネラルが豊富に含まれていること。またビタミンB1も、玄米なら精白米の8倍あることがわかります。

マグネシウムやカリウムは骨の成長に重要な役割を果たします。ビタミンB1は糖質の代謝をサポートする補酵素。糖質をエネルギーに変換するために重要な役割を持っています。

引用:農林水産省『消費者の部屋』
引用:文部科学省 食品成分データベース『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

糖質制限したいなら白米より玄米がいいワケ

糖質制限したいなら白米より玄米がいいワケ

ダイエットは挫折せずに長く続けることが成功への近道、まさに急がば回れです。

低糖質ダイエットが流行していますが、糖質を減らすためにごはんの量を減らすことで低糖質ダイエットを実践している方も多いのでは?しかし、エネルギーの源となるごはんの量を極端に減らすようなダイエットはツラくなかなか続きません。

適度に減らしながら健康的なダイエットを目指すには精白米を玄米に置き換えるのがおすすめです。その理由を探ってみましょう。

玄米は白米より低GI食品

低糖質ダイエットでは、糖質のインプットを減らすことが第一歩になりますが極端に落とすのは体力的にも精神的にも厳しい!と思っている人におすすめしたいのが精白米を玄米に置き換える方法。

注目したいのがGI値です。食後の血糖値上昇を表すグライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、値が低いほど血糖値が上がりにくく、体に脂肪をためにくくなります。

精白米は81と比較的高めですが、玄米は55と低め。ダイエットの強い味方になってくれるに違いありません!

玄米は白米より低カロリー?

玄米は、エネルギーが65g中99kcal、精白米は101kcalとほぼ差はなく、カロリーとして大差はありません。ただし同じ量なら玄米は精白米と比べて相対的に糠や胚芽が多く、胚乳が少なくなります。

つまり糖質が抑えられており、逆に食物繊維、マグネシウム・カリウムといったミネラル、ビタミンB群が豊富。玄米は精白米と比較してカロリーはほぼ同じでありながら、健康に欠かせない栄養素をしっかりとれることから、完全食ともいわれています。

消化がよくないのでよく噛む

玄米は糠や胚芽の部分があるため、胚乳部がほとんどを占める精白米に比べて消化があまりよくありません。また炊き上がりも硬いため自然としっかり噛まざるを得なくなります。これが江戸時代中期に精白米が普及して以降、市民に好まれてきた理由です。

しっかり噛んで食べるということはゆっくりと食べることにもつながり、血糖値上昇を抑制します。また、歯ごたえがあるので満足感も得やすいため、暴飲暴食も抑えることにも。

これが玄米はダイエットに効果的といわれるもうひとつの理由です。

糖質を適切にとりながらダイエットを成功に導く玄米を使ったレシピ

糖質を適切にとりながらダイエットを成功に導く玄米を使ったレシピ

低糖質ダイエットはその名のとおり、糖質量を抑えるダイエットです。玄米と精白米のカロリーは同等ながら、精白米よりも糖質が少ないことに加えて、栄養価も高く、食物繊維が豊富。なにより歯ごたえがいいですから、ごはんを玄米にすればいつもより量を減らしても満足感が得られやすいでしょう。

まさにダイエットのためのごはんともいえる存在。その玄米を楽しめるためのレシピを紹介しましょう。

玄米の基本の炊き方

玄米を炊くための水分量も精白米の1.2〜1.5倍ほどが必要です。3合の場合、精白米であれば水は550〜600ccが通常の目安ですが、玄米の場合は900ccを目安にします。また糠があり吸水しにくいため、研いで炊飯釜に水とともにいれた後、6時間から一晩吸収させるのがポイントです。

玄米だけだと食べにくいときは精白米と混ぜましょう。玄米1合、精白米2合、水700ccが目安になります。

ひじきを使った栄養たっぷりの玄米ご飯

カルシウムや鉄分などのミネラルが豊富なひじきと、食感を楽しめる油揚げは玄米と好相性。醤油やみりんを使って甘辛い味つけにすることで和風の献立との相性が際立ちます。

甘味噌でおやつになる玄米餅

玄米ごはんを炊き、すりこぎで潰します。丸い形をつくったらトースターで焼くだけという簡単レシピ! こんがりと焼いて、ピーナッツバターを入れた甘い味噌だれをつければ、子どものおやつにも最適です。

ダイエットに最強の味方!玄米と野菜のサラダ

玄米の歯ごたえと野菜とドレッシングがベストマッチ! キュウリやトマトと玄米ごはんを味噌入りのドレッシングで和える一品。

ポイントは野菜が温まらないようにするために、玄米ごはんを冷めた状態にしておくこと。ドレッシングを和えれば玄米の硬さがやわらぎます。

玄米の糖質やその他の栄養素を理解して健康的なダイエットを

玄米は精白米と比べエネルギーはほぼ変わらないのに、健康的な栄養素を豊富に含み、糖質は少なめとダイエットには最適な食材。食感の硬さや糠を含むために独特の香りがありますが、積極的に食事に取り入れたいところです。

玄米だけのごはんは慣れないと食べるのが難しいかもしれませんが、精白米に少し加えながら炊くことなど、工夫をして取り入れたいですね!

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参考:

お米の種類と栄養-JAグループ
医学博士が解説する、玄米の本当の効能-@Living
【稲と食】 日本人の食文化の柱、お米-株式会社クボタ
ビタミンB群の働き、多く含まれる食品を紹介-森永製菓
主要アミノ酸一覧-健康分析研究所
「玄米食」のメリット&デメリットを解説。食べ方も知っておこう-macaroni
カロリーが高いのは考えもの。発芽玄米の1合あたりはどれくらい?-FANCL ONLINE
GIについて学ぼう-大塚製薬
日本のごはん文化と江戸煩い(わずらい)-Youmeishu