大豆は“グルテンフリー”の強い味方

“グルテンフリー”という言葉をよく耳にするようになりました。
小麦アレルギーの方にとっては身近な存在ですが、近頃では健康志向の方からの支持も高まっています。

ですが、「グルテンフリーって何?」と改めて聞かれると、ダイエット法? 健康法? 目的はなんだろう? と思われる方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな“グルテンフリー”についてのお話です。

そもそもグルテンってなに?

「グルテン(gluten)」とは、小麦やライ麦などの穀物に含まれるたんぱく質のことです。グルテニンとグリアジンという2つのたんぱく質が網目状に絡み合ってできており、総称して「小麦たんぱく」と呼ばれています。

小麦粉に水を加えてこねると、モッチリとコシと弾力が出ますよね。あれこそ、グルテンが含まれている証拠。ガムのような伸びは、他のたんぱく質にはないグルテンだけの特徴です。

小麦粉といえば炭水化物のイメージが強いので、たんぱく質を含んでいるのはちょっと意外かもしれませんね。もちもちのパスタやうどんを美味しくいただけるのも、実はグルテンのおかげなのです。

そして、“グルテンフリー”は、英語でGluten Free、「グルテン無し」という意味そのまま。グルテンが含まれていないこと、またはグルテン含有の食品を食べない食生活のことを言います。

日本では新しい健康法やダイエットのイメージでも広まっているようですが、グルテンフリーの最大の目的は「小麦のたんぱく質を摂取しないようにする」こと。
では、グルテンフリーはどんな理由で必要とされているのでしょうか。

グルテンフリーは、もともと病気の治療法だった

食生活の多様化とともに、グルテンの性質を利用した食品がどんどん誕生しました。パン、パスタ、うどん、ラーメン、ピザ、ケーキ……数え挙げたらきりがないほど!

そんな中、小麦粉を使った食品を摂ると具合が悪くなってしまう人々が出てきたのです。グルテンを体質的に受けつけない、セリアック病という病気でした。

セリアック病自体は古くから発見されていたのですが、長い間、その原因が解明されていませんでした。1980年頃からやっとグルテンが原因だと分かり、「セリアック病の患者さんは、小麦を食べない食生活を」という指導がされるようになりました。
この治療法が、“グルテンフリー”の原点です。

では、特定の病気の治療法だった“グルテンフリー”が、ここまで一気に認知されたのはなぜでしょう。
そのきっかけが、有名テニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手です。

彼は長年、謎の体調不良に悩まされていましたが、徹底した検査によってグルテン不耐性、つまりセリアック病だったことが発覚。それから医師の指導のもとグルテンフリーの食生活を実践したところ、劇的にパフォーマンスが向上したのです。

この食生活を紹介した彼の著書は世界中でヒットし、グルテンフリーが一躍脚光を浴びることになったのです。影響された世界のセレブたちが、健康のためにグルテンフリーを食生活に取り入れた結果、それが「グルテンフリー・ダイエット」として爆発的に広がりました。

極端なグルテンフリーは禁物!
大切なのはバランス。

こうして世界中に広がったグルテンフリーの食事は、今や特別なものではなく、スーパーやレストランメニューでも目にするようになりました。ダイエット法として実践している方も少なくありませんよね。

ですが、グルテンフリーはあくまでも病気の治療法だったことを忘れないようにしましょう。なぜなら、グルテンフリーは「糖質制限」とはちょっと違うからです。

糖質制限の場合は、糖質が高いものを避けるのが鉄則。
一方で、グルテンフリーで避けるべきは「グルテンだけ」。糖質制限中はご法度である白米やイモ類は食べてもOKなんですね。

ここに落とし穴があります。

グルテンフリーを実践すると、主食であるパンやパスタなどの小麦製品を食べる機会が減るため、おのずと摂取カロリーや糖質量が減っていきます。その影響から、体重や体質に変化が見られる方がいるのも事実。ダイエット法や健康法として広まった理由ですね。

でも必要以上にグルテンフリーを徹底してしまうと、穀物から摂るべきたんぱく質や食物繊維が不足した状態になってしまうのです。グルテンを体質的に受けつけないなどの理由が特にない人が「グルテン断ち」をし過ぎると、栄養が偏ってしまい、かえって健康に良くない結果になる可能性も。

大切なのは、バランスです。

小麦粉を摂りすぎない食生活は健康的ではありますが、その分、肉や魚、卵や大豆製品などをしっかり食べて、たんぱく質や食物繊維をきちんと補ってあげましょう。

たんぱく質と食物繊維が豊富な大豆は、
グルテンフリーの強い味方。

グルテンフリーのメリットデメリットを踏まえた上で、それでも「食生活を見直したい」、「グルテンを控えて体質改善を目指したい」、「パンや麺などの小麦中心の食事をやめたい」、その想いからグルテンフリーの食生活をスタートさせる方にぜひオススメしたいのが、大豆製品です。

大豆は良質な植物性たんぱく質を多く含み、食物繊維やミネラルなど栄養素も豊富。グルテンフリーライフで不足しがちな栄養をしっかり補ってくれます。
大豆粉や豆腐、もちろん大豆100%麺「九州まーめん」もお役に立ちますよ。

グルテンフリーを始めるなら、正しい知識と一緒に取り組みたいものですね。

 

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参考:
服部幸應+だいずデイズ大豆研究所(2017)『大豆の学校』OVJ.
池谷敏郎/奥薗嘉子(2018)『医者がすすめる“大豆ファースト”』主婦の友社.
All Abou(2013.05.31)グルテンフリーダイエットって何?