実はスゴい! 大豆が誇る6つのビタミン 〜B1・B2・C・K・E・葉酸〜

「大豆に含まれる栄養といえば?」と聞かれて、パッと思い浮かぶものはなんですか?やはり「たんぱく質」や「イソフラボン」と答える方が多いのではないでしょうか。

実は、大豆にはビタミン類もとても豊富に含まれているんですよ。
ご存知でしたか?

ビタミンといえば、私たちの体のさまざまな機能を調節してくれる微量栄養素ですよね。健やかな毎日に欠かせない栄養素ですが、ビタミンのほとんどは体内で作り出すことができないので、食品やサプリなどから摂取するしかありません。

大豆に含まれているビタミンのなかで、ぜひ美容や健康のサポートに活用していただきたいビタミンが6つあるんです。さっそくご紹介します!

 

たんぱく質だけじゃない!
大豆のビタミンを健康に活かそう

01. ビタミンB1

糖質の代謝に欠かせない水溶性ビタミンとして、ダイエッターさんにはお馴染みかもしれません。摂取した大豆の糖質は、酵素の働きによって分解され、エネルギーに変わりますが、ビタミンB1は、この酵素が働くときに必要な補酵素の役割を担っています。そのため、不足すると疲れやすくなったり、食欲がなくなったりといった症状も……。ハードワークの人、激しい運動をする人は特に意識して摂ってほしいビタミンです。
大豆には、100gあたり約0.71mgのビタミンB1が含まれています。ちなみに豚もも肉のビタミンB1含有量は約0.96mgなので、お肉と遜色がない量なのがすごいですね。

運動する女性イラスト

 

02. ビタミンB2

ビタミンB2もB1と同じく、体内でのエネルギー産生に大きく関わっているビタミンです。それだけでなく、脂肪が燃焼するときに多く消費され、脂質の代謝を助ける性質があります。また、ビタミンB2の化学名は「リボフラビン」といいますが、別名「発育ビタミン」とも呼ばれます。それは、たんぱく質の合成に関わっており、肌、髪、爪、粘膜などの再生に欠かせないからなのです。ビタミンB2は体の発育にとって重要なんですね。
ちなみに、大豆には100gあたり約0.26mgのビタミンB2が含まれています。お酒をよく飲む人、激しい運動をする人、油っこい・塩辛いものが好きな方はビタミンB2不足に注意が必要です。

お酒を飲む女性

 

03. ビタミンC

ビタミンの中で特に認知度が高いのが、このビタミンCかもしれません。私たちの肌や骨、血管や筋肉などを構成するコラーゲンの合成に不可欠なビタミンです。美容のためのビタミンというイメージが強いですが、ビタミンCが不足すると、美容トラブルだけではなく、抵抗力が下がったり、体内の活性酸素が増えたりと健康維持にも大きく影響します。
大豆100gあたり約3.0mgの含有量なので、野菜やフルーツと比べると控えめですが、大豆が持つ他の栄養素と一緒に摂れるので効率的ですね。

肌を気にする女性

 

04. ビタミンK

日頃あまり意識しづらいビタミンKですが、血液の凝固や丈夫な歯や骨づくりに欠かせないビタミンです。特に年配の女性によくみられる骨粗しょう症などの予防をサポートしてくれるなど、実はとても重要なビタミン。油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつで、大豆100gあたり約18μgのビタミンKが含まれています。

階段をのぼる高齢者

 

05. ビタミンE

ビタミンEは、体の中の細胞膜にいて、さまざまな部位の組織に蓄積されています。ビタミンEはずばりエイジングケアに欠かせないビタミン!その理由が、ビタミンEは強い抗酸化作用を持っていて、老化を進行させる過酸化脂質の生成を防いでくれる性質があるからです。また、血行をスムーズにする働きもあるので、生活習慣病や動脈硬化などの予防も期待できます。
大豆100gあたり、約24.8mgも含んでいるので、他の食品と比べても含有量は高めなので、ぜひ積極的に摂りたいですね。

若々しいシニア

 

06. 葉酸

葉酸は水溶性ビタミンのひとつで、緑葉野菜に多く含まれているビタミンですが、大豆100gあたり約260μgとしっかり含まれています。葉酸は、妊婦さんが摂取を推奨されるビタミンとして有名です。それは、細胞を作るときに必要な核酸のDNAやRNAを合成するために必要だからです。妊娠中の赤ちゃんの発育を助ける、大切な働きをしているのですね。また、葉酸は血液をつくるためにも不可欠なので、「造血ビタミン」という別名があるほど。そのため、葉酸が不足すると貧血ぎみになることもあるので、妊娠中はもちろん、ダイエット時なども葉酸不足に気をつけましょう。

妊婦さんイメージ

 

三大栄養素の代謝を促進しているビタミン。
大豆でおいしく手軽に摂ろう。

大豆に豊富に含まれているたんぱく質をはじめ、糖質、脂質の三大栄養素は、私たちのエネルギーのもとです。ですが、これら三大栄養素の代謝を促す酵素は、ビタミンがないと活性化しないのです。いかにビタミンが重要な栄養素かが分かりますよね。

さまざまな食品をバランスよく食べて、ビタミン類をしっかり摂取できるのが一番ですが、なかなかむずかしいもの。そんな時、効率よくビタミンを摂れる食材のひとつとして、大豆はとても優秀だということがお分かりいただけたかと思います。

蒸し大豆、納豆、豆腐、大豆麺、大豆粉……、大豆商品は身近にたくさんあります。ぜひ毎日の食生活や栄養バランスに合わせて、おいしく手軽に、体が求める栄養やビタミンを摂ってくださいね!

次回は、知っているようで知らない、遺伝子組み換え大豆についてお話しします。
→大豆ライフのススメ「いまさら聞けない遺伝子組み換え大豆ってなに?」

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参考:
吉田企世子/松田早苗監修(2018)『からだにおいしい あたらしい栄養学』高橋書店.
塚本知玄監修/五日市哲雄、久保田博南著(2018)『おもしろサイエンス 大豆の科学』日刊工業新聞者.
日本食品標準成分表2015年版(七訂)