炭水化物ダイエットと糖質制限ダイエットはよく似た食事制限方法ですが、厳密には違いがあるのです。この違いは、炭水化物と糖質が全く同じものではないためです。
ですので、「糖質を抜く」ことと「炭水化物を抜く」ことは同じではありません。今回は炭水化物と糖質の違いについて、詳しく解説していきましょう。
炭水化物とは何?
炭水化物は「糖質+食物繊維」
炭水化物とは、糖質と食物繊維を合わせたものです。3大栄養素のひとつで、食物から人体に取り込まれると主にエネルギーを取り出すのに使われます。わかりやすい例でいえば、デンプンや砂糖などです。皆さんがよく知る食材としては米や小麦粉などの穀類が代表的で、日本食の中で主食として扱われるご飯、パン、麺類に多く含まれていますね。
炭水化物1gのエネルギー量は約4kcalほど。また、食品中の炭水化物は、食品の全体量から水分とたんぱく質、脂質、灰分を引いて求めます。
糖質はエネルギーの源
炭水化物はエネルギーを取り出すのに使われると述べましたが、その源になるのは糖質です。炭水化物を食べるのを控えると、糖質の摂取量も抑えられます。
ただし、過剰に糖質を制限してしまうのは禁物。エネルギー不足になって力が出なくなり、仕事や勉強などで集中力が保てなくなりますので注意が必要なのです。
糖質量の求め方は、「糖質=炭水化物-食物繊維」と食品表示基準で定義されています。言いかえると、タンパク質や脂質、灰分、食物繊維のどれにも属さないものが糖質なのです。
食物繊維は腸の調子を整える
炭水化物は糖類、少糖類、多糖類に分類されますが、食物繊維のほとんどは多糖類の中の非でんぷん性多糖類です。多糖類は、たくさんの糖でできています。
わかりやすくすると食物繊維は「糖がたくさん絡み合っていて、ほとんど消化できない成分」です。食物繊維は「難消化性炭水化物」とも呼ばれ、胃や腸で消化・吸収されないためエネルギー源にはなりません。
食物繊維は消化されないまま大腸までたどり着きます。そのため、便の量を増やしたり腸内環境の改善をサポートしてくれます! 食物繊維を適量に摂取すれば、便秘の解消など腸の調子を整えるのに役立つのです。
糖質をもっと詳しく!
糖質は糖類も含むエネルギー源
ここまでで炭水化物と糖質の違いはおわかりいただけたかと思います。ここでは、糖質のことをもう少し詳しくお話しましょう。
糖質は、単糖類や二糖類、多糖類、糖アルコールに分けられ、単糖類と二糖類を「糖類」と呼びます。
単糖類:ブドウ糖、果糖 二糖類:ショ糖(砂糖)、乳糖、麦芽糖など
糖アルコール:キシリトール、マルチトールなど
糖類は、はっきりと甘みを感じるものがほとんどです。疲れたときに甘いものが食べたくなるのは、糖類=エネルギー源を体が欲しがっているため。
私たちが食品から摂取する糖類の多くはショ糖、すなわち砂糖なので、砂糖がたっぷり入ったスイーツやジュースを美味しく感じるのもうなずける話です。
ただし、人工甘味料としてよく使われるキシリトールなどは、消化されにくくほとんどエネルギーになりません。
糖質は過剰にとると脂肪になる
糖質は体にとって必要なエネルギー源です。しかし、飽食の時代といわれる現代では、多くの人が糖質を過剰摂取しています。では、糖質のとり過ぎにはどのような問題があるのでしょうか?
結論からいうと、糖質のとり過ぎは太る原因になります。もちろん、その人の体格や体質、代謝量、ほかに食べる食品との関係もありますから、糖質を多くとっているからといって必ず太るというわけではありません。
しかし、エネルギーとして消費されなかった糖質を、中性脂肪として体の中に蓄える仕組みは誰もが持っています。特に歳をとって運動量が落ちてくると、糖質過多になって太りやすくなる恐れがあります。結果として肥満や生活習慣病にもつながるため、ある程度の糖質コントロールは必要です。
糖質についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
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ダイエットでは糖質量に注目!
糖質制限がダイエットに有効な理由
炭水化物を控えてカロリー摂取量を抑えるのは、有効的なダイエット方法のひとつです。ただし、炭水化物全体を減らそうとすると、食物繊維を摂る量も減ってしまいます。ここに落とし穴が!
食物繊維が足りなくなると腸内環境が悪化して体調が悪くなったり、便秘や肌荒れを引き起こしたりします。多くの人が炭水化物ダイエットを長続きさせられないのは、食物繊維不足をカバーできていないのが原因です。
一方、糖質制限ダイエットは糖質に着目しています。炭水化物が多い食品でも、糖質の割合が少なめで食物繊維が多く含まれるのであれば、さほど気にせずに食べるダイエット法です。これなら食物繊維不足で腸の調子を悪くすることもありませんね。また、ある程度の糖質も摂取するので、エネルギー不足で辛くなってやめるケースも少ないのです。
過度な糖質制限にならないよう注意!
糖質制限はダイエットに有効であるとはいえ、やり過ぎてしまえばエネルギー不足になります。エネルギー量が足りなくなると、筋肉を分解してエネルギー源となるブドウ糖を取り出すため、筋肉量も落ちやすくなります。すると、筋肉量が落ちると基礎代謝が下がるので、やせにくい体になるのです。
「体重が減ったと思ったら、落ちたのは脂肪ではなく筋肉のほうだった!」ということにならないよう、糖質制限中にはタンパク質もしっかりとりましょう。タンパク質は筋肉をつくる源になります。無理のない程度に筋トレなどもして、筋肉量を落とさないように心がけてくださいね。
炭水化物と糖質の違いを知ってダイエットに役立てよう
炭水化物と糖質はエネルギー源という意味では同じですが、糖質には食物繊維が含まれないという点で大きく異なります。効果的なダイエットには食物繊維が必要不可欠。糖質だけをしっかり抑えてダイエットを成功させましょう。
とはいえ、低糖質な食事を毎日考えるのはなかなか難しいものです。低糖質ダイエットメニューで悩んでいるのなら、「九州まーめん」を取り入れてみてはいかがでしょうか。大豆100%・グルテンフリーの「九州まーめん」を使えば、低糖質ダイエット中だと敬遠しがちな麺類のレパートリーを増やすことができますよ。
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参考:
厚生労働省資料