良質なタンパク質を多く含む食材の代表格といえば魚介類。魚介類、特に白身魚を材料とした日本の伝統食「ちくわ」はスーパーやコンビニでも入手できる手軽な日常食です。加工せずともそのままパクリと食べられるまさにファストフードとしての側面もあり、身近なタンパク質補給源として注目を集めています。
ここではちくわの栄養価やちくわの仲間のすり身食材の魅力も解説し、筋トレのお供に最適なレシピもあわせて紹介します。飽きずに美味しく食べられ、コスパも抜群のちくわを魅力に迫ります。
ちくわの特徴とタンパク質などの栄養素
ちくわの起源は弥生時代とも平安時代ともいわれるほど古くから存在する、日本ではなじみ深い食品です。そんなちくわが秘める魅力とはどのようなものでしょうか? ちくわやちくわに含まれるタンパク質の特徴について紹介しましょう。
ちくわの種類や特徴
ちくわはスケトウダラやイトヨリダイ、ホッケなどの白身魚を原料とするすり身に塩、砂糖、みりん、デンプン、卵白を混ぜ合わせてつくる加工食品。
ちくわは一般的なちくわと煮込み用のちくわに分類され、どちらも製造時に加熱されていることからそのまま食べることができる手軽さが魅力です。
焼き上げるちくわが一般的ですが、全国には蒸して作った白いちくわや熱湯で茹でて作るちくわもあるそうです。
ちくわに含まれる栄養素
白身魚を使っているため比較的に脂質の量が少なく、高タンパク質な食品です。ちくわの弾力を出すために食塩がすこし多い栄養バランスになります。
ちくわ(焼き):エネルギー119kcal/たんぱく質12.2g/脂質2g/食塩相当量2.1g
※100g中の成分
出典:『食品成分データベース』文部科学省
プロティンバーと比較するちくわの栄養素
コンビニでも手に入り、そのままでも食べられる手軽さが魅力のちくわ。筋トレのお供、プロティンバーと1本のちくわは大きさも似たような感じですよね。それぞれの栄養価を比較してみましょう。
▼一般的な5本入りのちくわ1本とメジャーなプロテインバー。
ちくわ(35g:5本入りの1本):エネルギー42kcal/たんぱく質4.3g/脂質0.7g
一般的なプロティンバー(43g):エネルギー199kcal/たんぱく質16.2g/脂質10.7g
プロテインバー1本に対して、同等のタンパク質を得るにはちくわは5本食べる必要がありますので、そのまま食べるよりも、調理して食べるのがベターといえるでしょう。
出典:『食品成分データベース』文部科学省
ちくわやすり身系食材はタンパク質がいっぱい!
良質な白身魚のタンパク質を多く含むちくわですが、ちくわと似た食材のかにかま、はんぺん、かまぼこがあります。それぞれの栄養価を見てみましょう。
すり身の原料の白身魚、特にスケトウダラが持つ特徴や、昨今注目をあつめる食材についても触れます。
ちくわ以外のすり身食材の栄養素
ちくわ以外の白身魚のすり身を使った体表的な食材とえいば「かにかま」「はんぺん」「かまぼこ」があげられるのではないでしょうか。タンパク質を手軽に摂取できる食材の栄養価をチェックしましょう。
かにかま:エネルギー89kcal/たんぱく質12.1g/脂質0.5g
はんぺん:エネルギー93kcal/たんぱく質9.9g/脂質1g
かまぼこ:エネルギー93kcal/たんぱく質12g/脂質0.9g
魚肉ソーセージ:エネルギー158kcal/たんぱく質11.5g/脂質7.2g
いずれもちくわと同等のタンパク質量を持ちながら、低カロリーなところが魅力。魚肉ソーセージはエネルギー量と脂質が突出していますが、材料を混ぜ合わせる際に豚脂(ラード)をつかっているためです。
出典:『食品成分データベース』文部科学省
スケトウダラは瞬発力や体を引き締める速筋が豊富
ダイエットには筋トレを合わせて行うことが重要とされていますが、筋肉のなかでも「速筋」を鍛えることがボディメイクのポイント。筋肉には「速筋」と「遅筋」の2種類があってそれぞれに役割を持っています。 速筋は瞬発的な運動や身体を引き締める役割があります。遅筋は姿勢を保ったり、持久力が必要なシーンで活躍したりする筋肉です。
ちくわの原料に多く含まれるスケトウダラには速筋が多く含まれており、食べることで運動と同様の「筋肉再生のスイッチ」になることがわかってきました。筋肉トレーニングの効率を高めることも確認されていることから、トレーニングを習慣化している人にも、ちくわの速筋タンパク質摂取はダイエットの筋トレにはおすすめです。
Wタンパク質にも注目が集まる
筋トレや低糖質摂取のブームから良質なタンパク質に関心が高まる中、島根県の「とうふちくわ」のような伝統食が人気です。
「とうふちくわ」は魚肉の代わりに3割ほどを豆腐に変えた江戸時代の質素倹約精神から生まれた島根県の伝統食品。動物性と植物性の両方のタンパク質を摂ることができるとして注目を集めています。
筋トレの相棒! タンパク質が豊富なちくわレシピ
筋トレには適切な食事の摂取が欠かせません。特に良質なタンパク質を効果的に取り入れることを求められます。低カロリーで良質なタンパク質源といえば魚介類ですが生魚を扱うのは、下処理なども含め料理の手間が増して面倒。
手軽に魚のタンパク質を得られるのが「ちくわ」です。もちろん、食感や適度な塩味もおいしさの秘訣。 そんなちくわをつかった筋トレ時に最適なレシピを紹介します。
ちくわの麻婆豆腐
豚の挽肉の代わりにちくわをいれた麻婆豆腐。ちくわはサッと炒めるだけでOKです。
【作り方】
1.ちくわは7mmの厚さで輪切りし、豆腐は2cm角。にらは5cm長さにする。
2.ごま油をフライパンに大さじ1/2をいれ、中火で熱し、しょうが・にんにく・ねぎを炒める。
3.ちくわ、豆板醤を加えサッと炒め、しょうゆ大さじ1、水1カップを加え、煮立ったら水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
4.豆腐とにらを加えてひと煮立ちさせる。
ちくわの肉じゃが
肉の代わりにちくわをいれた肉じゃがです。
【作り方】
1.ちくわとにんじんは一口大の乱切り。じゃがいもは大きめの一口大にして、玉ねぎは4等分のくし形、いんげんは5cm長さに。
2.鍋に煮汁の材料、にんじん、じゃがいも、玉ねぎを入れて中火。煮立ったら、落としぶたをして10分ほど煮る。
3.ちくわ、いんげんを加えさらに3分ほど煮て火を止める。そのまま10分おいて味をなじませて完成。
ちくわと明太のバター炒め
パスタの定番、明太パスタの味を再現したおつまみです。
【作り方】
1.ちくわは縦半分にして長さを3等分に。
2.フライパンにバター小さじ2を溶かし、ちくわを入れて炒める。
3.うすく焼き色がついたら、からし明太子を加えて炒め合わせ、こしょう少々。塩で味をととのえて器に盛り完成。
ちくわと豆腐の照り焼き
ちくわと豆腐をカリッと照り焼きに風にし、シシトウガラシをアクセントにした一品。
【作り方】
1.豆腐の水けを拭き、厚みを半分に切って4等分。片栗粉をまぶす。ちくわは斜め1cm幅に。シシトウガラシは数カ所切り込みを入れておく。
2.フライパンに油大さじ2を熱し、シシトウガラシを炒め、焼き色がついたらいったん取り出して塩少々。続けて豆腐を並べて焼き、面を変えながら全面きつね色に焼く。
3.ちくわを加え、料理酒・しょうゆ・みりん各大さじ1を回し入れ、豆腐とちくわを上下に返しながら汁を飛ばし、絡める。シシトウガラシを戻し入れてさっと炒め合わせて完成。
ちくわと豆腐の卵とじ
出汁の味がしみたちくわと豆腐がご飯との相性バツグンです。
【作り方】
1.小松菜を4cmに切り葉と茎に分ける。豆腐は縦半分、横3等分。ちくわは1cmの斜め切り。
2.小さめのフライパンにだし汁3/4カップ、料理酒・しょうゆ・みりん各小さじ2を入れて強めの中火に。ひと煮立ちしたら、小松菜の茎、豆腐、ちくわを入れ2分ほど煮る。
3.小松菜の葉の部分を加えて素早く煮る。 4.溶き卵を回し入れ、ふたをして中火にして40秒程度煮て完成。
良質なタンパク質のちくわで筋力アップ!
「ちくわ」は手軽に扱えてスーパーからコンビニまで手に入り、そしてなによりコスパがバツグン。そんなちくわの魅力は低カロリーで良質なタンパク質を豊富に含む筋トレには最強のベストパートナーであることです。
引き締まったボディラインをつくるのに欠かせない速筋育成にも最適で、淡泊な味でありながら適度な歯ごたえがあることからどんな料理にもピッタリ。 ちくわを積極的に料理に取り入れて健康的なダイエット&筋トレを行いましょう!
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参考:
ちくわのタンパク質量・栄養素について解説!ちくわとプロテインバーの違いは?-森永製菓
カニカマ・ちくわ・かまぼこ。タンパク質を摂りたいのなら、魚のすり身が効率的?-Women’s Health
実は超優秀食品…だと!? 子どもだけのものじゃない! 「魚肉ソーセージ」の知られざる実力-レタスクラブ
食べるだけで筋肉が増える?ちくわやかまぼこの原料「スケソウダラ」と瞬発力や体の引き締めに必要な「速筋」の深イイ関係|DIME-小学館
特別な運動をしなくても「スケソウダラ」で筋肉増大効果 ちくわなら小2本を食べるだけ-iza
「ちくわ」でフレイル予防 安くて万能和のプロテインバー-産経新聞社
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