お節や茶わん蒸しの彩りとしてよく使われるかまぼこは、昔から日本人に親しまれてきた食品です。定番の紅白だけでなく焼き目が入ったものや、団子のような形をしたもの、さつま揚げなど、いろいろな種類があります。
そんなかまぼこは海外でも大人気! かまぼこは食べて美味しいだけでなく、タンパク質など栄養豊富で低脂質なため生活習慣病の予防にも。また育ち盛りの子どもに食べさせたい食品である理由も含め、かまぼこ人気の秘密にせまります!
ほぼ100%! かまぼこの栄養素は良質なタンパク質!
タンパク質が豊富といわれるかまぼこですが、ヘルシーといわれるのには材料となる魚に秘密があります。また100%魚でできているかまぼこが、なぜあんなにも弾力があるのでしょうか。
かまぼこの材料と歯ごたえについて見ていきましょう。
シンプルな材料で作られたかまぼこは高タンパク質食品
かまぼこに使われる主な材料はタラです。他にはトビウオやエソ、グチなど主に白身魚が使われることが多く、土地によって魚の種類が異なります。これらの材料に使われる魚の特徴として味が淡泊で低脂質であることが、かまぼこが低カロリーである理由です。
代表的な白や紅白の蒸しかまぼこの場合、100g中に含まれるタンパク質量は12gです。これはゆで卵とほぼ同じタンパク質量となり、カロリーはゆで卵よりも低いです。
あのプリっと感の正体はかまぼこのタンパク質!?
かまぼこを一口かむと弾力感がありますよね。この独特な食感を生み出しているのがタンパク質です。
材料である魚のタンパク質には、筋線維という筋原線維タンパク質が集まっています。これに塩を加えて捏ねることで筋線維が複雑に絡み合います。さらに熱を加えることで絡み合った筋線維がほどけにくくなるのです。こうしてタンパク質を変性させることで、かまぼこの食感が生まれていたんですね。
意外と知られていないかまぼこの種類
かまぼこと言えば、ほとんどの人が白色や紅白色のつるんとした表面のかまぼこを思い浮かべるでしょう。ところが、ちくわやはんぺんさつま揚げなども、同じ魚肉加工食品でかまぼこになります。
見た目も食感も違うかまぼこのそれぞれ種類について、特徴を紹介します。
蒸し&ゆでかまぼこ
お弁当屋やお節の飾りに使われる紅白のかまぼこは、すり身を板の上に整形して蒸しあげたものです。江戸時代から続く一般的な製法で作られているもので、スーパーやコンビニなどでも手に入りやすい種類ですよね。関西地方では蒸しかまぼこの表面にみりんを塗って炙った「蒸し焼きかまぼこ」という変わり種もあります。
ラーメンのトッピングに使われる鳴門(ナルト)や、鰯を材料にしたつみれ、ふわふわしたはんぺんなどは、ゆでかまぼこに分類されています。タンパク質量は100gあたり10g前後含まれています。
焼きかまぼこ
笹かまぼこや焼きちくわなどは、すり身を整形して焼き上げたかまぼこです。ほかに、お節によく入っている伊達巻や板のまま焼き上げる焼き抜きかまぼこも、この焼きかまぼこの種類にあてはまります。
タンパク質量は約12~14gとやや高め。すり身にでんぷんや卵白を加える焼きちくわや、卵や砂糖が入る伊達巻は、蒸しやゆでかまぼこの比べて炭水化物の量がやや高くなるため、食べ過ぎには注意したいですね。
揚げかまぼこ
おでんの具材として選ばれることが多いさつま揚げやごぼう天、愛媛名物のじゃこ天などを揚げかまぼこと呼びます。油で揚げているため味に深みが出るのが特徴ですが、エネルギー量はどうしても高くなるのでダイエット中は量を控えるようにしましょう。
タンパク質は蒸しかまぼこと同じタンパク質量は100gあたり12gです。野菜や生姜、ひじきなどが混ぜ込まれたもの、チーズ入りなど味のバリエーションが楽しめる種類です。
カニ風味かまぼこ
見た目がカニの身に似ていて味も近いことから「カニかま」の名前で知られるカニ風味かまぼこは、巻きずしやサラダ、お弁当のおかずとしていろいろな料理に使われています。カニかまの原料となる魚はスケトウダラで、タンパク質量は100gあたり12.1gです。他のかまぼことほぼ同じ量のタンパク質が含まれていますが、カロリーは100gあたり89gと、ほかのかまぼこよりも低カロリーな食品です。
そしてこのカニかまは、海外でも「surimi」という名前で親しまれています。なぜそれほどまで人気なのか。次で詳しく説明していきますね。
かまぼこは海外でも大人気!手軽で美味しい…でも食べすぎには要注意!
魚100%のかまぼこは低カロリーなのにタンパク質が豊富。ダイエットや健康にいいといわれ、かまぼこはジャパニーズヘルシー食品として海外でも人気を集めています。
なぜ海外でそんなにも受け入れられているのか。それは美味しさだけではありません。かまぼこが国際食になった理由と、私たち日本人も美味しいからついつい食べてしまうがゆえに気を付けたい点について紹介します。
なぜ?海外でかまぼこが人気の理由
かまぼこは海外で、肉よりも低脂質でカロリーが低く、健康に良い食品として人気があります。
特に日本人にとってメジャーなカニかまぼこは、海外では「surimi」と呼ばれていて、ヨーロッパやアメリカで大好評なのです!その理由として、本物のカニが高くカニかまは安価で手に入るところ、魚のような生臭さが気にならず手軽に食べやすい、蒸してあるので食品の脂質が減ってヘルシーというところが主に海外で人気を博したのです。
アメリカ版巻きずしのカリフォルニアロールや、フランスのテリーヌ、イタリアのパスタの具など、主菜・副菜としてカニかまぼこが選ばれているようですよ。手軽にさっと使える食品であるのも人気の理由のようですね。
しかしくれぐれも食べ過ぎには気を付けたいところ。実はかまぼこをはじめ、多くの練り物にはある事実が隠されているのです。
食べすぎ注意!練り物商品の落とし穴
脂質が低くタンパク質が多いかまぼこはダイエット最適! けれども食べ過ぎは注意する必要があります。かまぼこも含め練り物を作る時に塩分が加えられます。さらに、かまぼこに醤油を漬けて食べたり、濃い味付けで煮たり炒めたりすると、さらに塩分が追加されたくさん食べると塩分過多にも。
蒸しかまぼこや焼きかまぼこの場合、100gあたり2.2~2.5gの塩分が含まれています。塩分過多はむくみの原因にもなるため量を調整して食べるか、塩分を排出する作用のあるカリウムを多く含む食材と一緒に食べるようにしましょう。
とはいえ、かまぼこはタンパク質以外にも栄養素が豊富なので、塩分量さえ気を付ければお子さんの成長にも欠かせない食品です。次に、かまぼこの栄養が子どもの発達にどのように影響するかについて説明していきます。
かまぼこの栄養素は子供の成長におすすめ
タンパク質が豊富なかまぼこは、育ち盛りの子どもの成長にも必要な栄養素がいっぱい!
かまぼこのDHAやEPAで脳を活性化
かまぼこの材料となる魚の脂質には、脳の働きをよくするDHAや抗炎症性の役割があるEPAが含まれています。これらはからだに大切な必須アミノ酸で、体内では形成されないため食事などで積極的にとる必要がある栄養素です。
かまぼこは子どもの成長にもかかせない食品といえますね。
魚嫌いな子も手軽にカルシウム補給
子どもは遊びや運動など活動量が多く、転倒して骨折しないか心配。わんぱくでも元気に成長して欲しいからこそ日々の食事でカルシウムがちゃんと取れているのか気になるママも多いはず。けれども子どもが魚は嫌いで食べさせるのに苦労するという人もいるでしょう。
かまぼこは、100%魚で作られた食品でカルシウムもたっぷり。一般的な蒸しかまぼこは100gあたり25mg、さつま揚げは60mg、カニかまぼこに関しては120mgものカルシウムが含まれています。またすり身を使っているため消化吸収がよく、魚臭さも抑えられているのでおやつとして子どもに食べさせるのもおすすめですよ。
加工食品かまぼこはお弁当の食材にピッタリ
かまぼこは、日々のお弁当にも最適な食材です。魚の切り身を使ったフライや照り焼きなどはどうしても後から出てくる水分のせいで、ほかのおかずがベチャッとなりがちです。
かまぼこの場合は、すでに加熱処理された食品で水分が出てべたつく心配がありません。また切って盛り付けるだけというお手軽さもあります。
低カロリー高タンパク質なかまぼこはお手軽で子どもの成長にも嬉しい栄養食品
低脂質でカロリーが低く、良質なタンパク質やカルシウムも栄養素として含むかまぼこは、ダイエットだけでなく子どもの成長にもおすすめの食品です。
種類もいろいろあって味のバリエーションが楽しめるので、日々の食卓にプラスするだけで必要な栄養素が補えます。切る、焼く、煮る、いろんな食べ方ができるかまぼこは常備しておくと便利ですよ。
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参考: