糖質制限ダイエットが注目を集めていますが、糖質の摂りすぎはもちろん、不足しても体によくないのをご存じですか? 少ないストレスで安全にダイエットするためには、摂取する糖質量に注意することが大切なんです。
そこで今回、一日に必要な糖質量についてくわしく解説。さまざまな食品に含まれる糖質の含有量や、適正に糖質制限するための食生活の工夫もあわせて紹介しています。
糖質制限ダイエットをする上での参考にしてくださいね!
一日に必要な糖質量はどのくらい?
そもそもダイエットするためにはどうして糖質制限が必要なのでしょうか?まずは、糖質の体内での働きについて解説します。
なぜ糖質制限が必要なの?
糖質は、体内に取り入れられると、細胞のエネルギー源として使われます。ところが、糖質が必要量を超えてしまうと、エネルギー源として使われずに余ることに……。
すると、糖質は脂肪となり、体内に蓄積されてしまうのです。脂肪もまたエネルギー源として利用することができますが、利用量を超えて蓄積すると、結果的に太ってしまうというわけ。
蓄積した脂肪を減少させる方法は以下のふたつです。
・エクササイズしてエネルギー消費を増加させる
・糖質制限する
はじめから摂取する糖質の量を減らしてしまえば、体内で糖質が余ってしまうことはありません! 糖質が脂肪として蓄積されないので、エクササイズしなくても脂肪を減らすことができるというわけなのです。
糖質が不足するとどうなる?
摂りすぎると肥満の原因になってしまう糖質ですが、実は不足しても体によくありません!
というのも、糖質はわたしたち人間にとって、健康を保つのに欠かせない栄養素のひとつ。糖質が不足するとどんなトラブルや影響があるか、気になりますよね。糖質が不足すると、以下のような症状が起こることがあります。
・体が疲れやすくなる
・筋肉量が減少する
・脳の働きが低下する
糖質を制限すると、体に必要なエネルギーが不足するケースも。すると、体が疲れやすくなってしまいます。
また、不足した糖質を補おうとして、タンパク質がエネルギー源として利用されることで、筋肉量が減少する恐れがあります。筋肉量が少なくなると、基礎代謝が低下するので注意が必要です。
さらに、糖質が不足すると、脳にとってただひとつのエネルギー源とされるブドウ糖が脳へとじゅうぶんに届けられなくなることも。脳の働きが低下してしまうおそれだってあります。
一日に必要な糖質量の目安は70〜130g!
では糖質は一日に何gくらい摂取するのがいいのでしょうか?
一般的には、適正糖質は70~130gと考えられています。
適正糖質:(20~40g)×3回 + 間食10g = 70〜130g
※一回の食事あたりの糖質量を20~40gと仮定し、間食からも10gほど摂取することを想定
この量を目安にして、極端な糖質制限をしないように気をつけながら、健康的なダイエットを心がけてみてください。
無理なダイエットはリバウンドの原因になりがち。ダイエットを成功させるためには、糖質を適度に制限しながら、タンパク質など体に必要な栄養素をきちんと摂取することが大切です!
プロテインなどの高タンパク食品には糖質が含まれていないものも多いので、うまく取り入れるのもおすすめですよ!
食品に含まれる糖質と含有量
糖質が多く含まれる食品と糖質が少ない食品
糖質制限しながら体に必要な栄養素もちゃんと摂取するためには、糖質が多く含まれる食品と糖質が少ない食品を知っておくと便利です。たとえば、「野菜だから糖質は少ないはず」という考えは大間違い!
「うっかり糖質が多く含まれるものを食べていた……」なんてことにならないよう、わかりやすく表にまとめたので参考にしてください。
逆に、表にはまとめなかった肉類や魚介類、きのこ類は全般的に糖質が低め。積極的に取り入れたいですね。 野菜の中でも、カボチャ、トウモロコシ、れんこんは糖質が高いので注意! また、じゃがいも、さつまいも、やまいもなどの芋類、みかん、りんご、ぶどうといった甘い果物も食べ過ぎは禁物ですよ。
主な食品100gあたりの糖質含有量
糖質が多く含まれる食品を完全にやめる必要はありません。摂取量をちゃんとコントロールできればOKです。
主な食品100gあたりのおおよその糖質含有量について表にまとめたので、献立にお役立てください!
主食
スパゲッティやそうめんの糖質が高いことに驚きますね!
ちなみに大豆100%麺「九州まーめん」の糖質量は、1玉(ゆで100g)あたりたったの5.1g。表内では最も数値が小さい「うどん(ゆで)」の21.3gと比べても、圧倒的に低い数値です。これならいろいろな副菜とあわせて取り入れることができるので、低糖質でも満足のいく献立作りに役立ちそうです!
麺料理を楽しみたいけど糖質量が気になるという方は、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?
野菜
糖質が低いイメージのある野菜ですが、カボチャやれんこんはもちろん、玉ねぎ、にんじんといった身近なものも糖質は含まれています。
芋類
芋類は全般的に糖質が高めです。
果物
アボカドを除く果物も糖質を多く含んでおり、食べ方に工夫が必要ですね。とくに干しぶどうなどドライフルーツは、砂糖などが加えられていて、生で食べるより糖質量が多くなっている場合があるので要注意ですよ。
乳製品
野菜や果物と比べると少ないとはいえ、乳製品にも糖質は含まれています。日々の食生活に欠かせないものだけに、上手に取り入れたいですね
適正に糖質制限するための食生活の工夫
献立や食べ方を工夫する
糖質を不足させることなく、効率的に制限するには、献立や食べ方を工夫するのもひとつの手です。
糖質は主食に多く含まれていることから、理想的とされる献立のひとつが、一汁三菜で構成される和定食です。とはいえ、芋類や一部の野菜など、主食以外にも糖質を多く含むものが多いので、副菜選びには気をつけてくださいね!
食べ方に注意するのも効果的です。とくによくないのが、早食いやドカ食い。どちらも血糖値を上げやすいのでやめましょう。
食事はゆっくり時間をかけながら、はじめに糖質の少ない野菜から食べるように心がけると、血糖値の急激な上昇を抑えることができますよ。
ご飯やパンなど主食の量を減らす
主食を断つのではなく量を減らすのもおすすめです。たとえば、白米100gには35.6gの糖質が含まれます。
お茶碗1杯分の量を150gとすると、糖質量は53.4gに。これを半分にするだけで糖質をおよそ27gに抑えることができます。「九州まーめん」のように糖質量の低い食材も積極的に取り入れるのもおすすめです。
糖質量を抑えた分、副菜を増やすことができるので、バランスのいい食事が楽しめますね。
間食の糖質を10gに抑える
せっかく3度の食事で糖質量を減らしていても、間食で台無しにしてしまうケースも。間食の糖質摂取は10g以下を目標にしたいですね。
特にお菓子やジュースが好きな方は要注意です。お菓子には糖質を多く含む小麦粉や砂糖が多く含まれていますし、果汁入りジュースには砂糖入りの炭酸飲料と同じくらいの糖質が含まれていますよ。
たとえば、糖質を抑えつつ間食をするなら、無糖ヨーグルトにアーモンドやピーナッツなどの種実類、比較的糖質が少ないいちごをトッピングするなど、工夫してみてください。甘いものがどうしても食べたい場合は、食べること自体を我慢するのではなく、量を減らすよう心がけるのがおすすめです。
間食する際も 適正糖質の目安である70〜130gをいつも気にしておきたいですね。。
一日に必要な糖質量が何gかを把握して豊かな食生活を
健康を維持するためには、糖質は多すぎても少なすぎてもNG! 一定量の糖質を摂取することを心がけましょう。
糖質をいっさい摂らないと決めるのではなく、食物ごとに糖質が何gくらい含まれるかを確認しながら、無理なくバランスよく取り入れるのがおすすめですよ。
献立や主食量の調整などの工夫もしながら、健康的な糖質制限に取り組んでくださいね。
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参考:
パワープロダクション活用法‐グリコ
糖質はとりすぎも不足もNG!?糖質コントロールを助ける「低GI食品」とは
栄養ラボ‐大塚製薬
ロカボ‐一般社団法人 食・楽・健康協