食物繊維のとり過ぎは便秘・下痢の原因? とり過ぎを防ぐ方法は?

食物繊維

食物繊維といえば、便秘の解消やダイエットに力を発揮する嬉しい栄養素です。健康づくりや美容のために意識して取り入れている人も少なくないでしょう。

でもちょっと待ってください。嬉しい効果も多い食物繊維ですが、意識するあまりとり過ぎになっていませんか?大切な栄養素とはいえ、度を越してとり過ぎると逆に体トラブルの原因となることも。

食物繊維をとり過ぎるとどうなるのか、とり過ぎを防ぐためにはどうしたらいいのかしっかりとチェックして、バランスのいい食事を目指しましょう。

 

そもそも食物繊維とは?

食物繊維とは?

食物繊維は、食べ物に含まれる栄養素のひとつです。食物繊維には水溶性食物繊維不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状に変化する性質を持ち、腸内環境を整えてくれます。

一方不溶性食物繊維は水を吸って膨らむ性質があり、腸内で膨らんで便を作る材料になってくれます。 栄養素と言いましたが、食物繊維は人の体では消化吸収されません。そのため、食物繊維自体は体を動かすようなエネルギーにはならないのです。それでも食物繊維が大切な栄養素として注目を集めているのにはちゃんと理由があります。

 

ダイエットの味方、食物繊維

食物繊維が今存在感を増している理由のひとつが、ダイエットの強い味方になってくれるというポイントです。

実は、食物繊維をしっかりとることで糖質や脂質など、他の栄養素の吸収を穏やかにします。人の体では消化できない食物繊維が混ざることで、他の栄養素も吸収しにくくなり、結果としてゆっくりとした消化吸収になる、というわけです。

糖質や脂質の吸収が穏やかになることで、血糖値の急激な上昇を抑え、糖尿病や肥満のリスク軽減のサポートとなります。また、食物繊維をたくさん含んだ食材で食事をカサ増しすることでダイエット効果も期待できますよ。

 

食物繊維の一日摂取目標は約20g

厚生労働省によると、日本人成人の1日摂取量として、目標は約20gとされています。少ないと思いますか?しかし、レタスに換算すると大体2kgくらい食べないととれない量なのです

日本人の平均的な食物繊維摂取量は大体12〜17gくらいです。食物繊維に関しては、とり過ぎよりも不足している人の方が多いと言われています

 

食物繊維をとり過ぎるとどうなるの?

食物繊維の摂り過ぎ

では食物繊維はいくらでもとり過ぎていいのかというと、そういうわけではありません。どの食材でもそうですが、バランスよくとり入れることが一番大切です。 体にいいとされる食物繊維ですが、とり過ぎると逆に体の調子を崩してしまうこともありますよ。

 

水溶性食物繊維をとり過ぎた場合

水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状になります。適量を摂取していれば、糖質や脂質の消化吸収を穏やかにしてくれたり、腸内環境を整えてくれたりととてもいい成分です。

ですが、とり過ぎるとお腹が痛くなったり、便が緩くなったりする人もいます。 健康な腸内環境を整えるためには、適量を意識することが大切です。

 

不溶性食物繊維を摂り過ぎた場合

不溶性食物繊維は腸で便の材料になり、便秘の解消に一役買ってくれます。しかし、不溶性食物繊維をとり過ぎると今度は便が作られすぎてしまい、逆に便秘を悪化させてしまうこともあります

便秘の解消には、不溶性食物繊維をしっかりとって便を作ることと、水分をしっかりとって便を柔らかくすることが大切です。不溶性食物繊維は水分とバランスよく取り入れることが大切ですね。

 

食物繊維を摂り過ぎないために気をつけたいポイント

サプリの摂取

食物繊維は適量であれば体の調子を整えてくれる、とても大切な栄養素です。とり過ぎが怖いからと言って、まったくとらないわけにはいかないですよね。

食物繊維をとり過ぎないためにはどのようなポイントに注意したらいいのでしょうか。

 

そもそも食物繊維は普通の食事でとり過ぎることはほぼない

実は、普通の食事をしていれば食物繊維をとり過ぎるという心配はほとんどありません。実際、現代人の多くが食物繊維の目標摂取量に達していないということも紹介しましたが、食事から過剰になるほどの食物繊維をとるということはあまり現実的ではありません。

ですが、1点だけ、食物繊維のとり過ぎを防ぐために注意してほしいポイントがあるので紹介しますね。

 

「吸収を穏やかにする」効果を謳う食品・サプリメントはとり過ぎ注意!?

食物繊維を摂りすぎないために注意したいポイント、それは健康食品やサプリメントのとり過ぎです。

巷で売られている健康食品やサプリメントには、食物繊維を多く含んでいるものが少なくありません。特定保健用食品の中にも、食物繊維がたくさん含まれているものも多くあります。

例えば、「食事の栄養吸収を穏やかにする」「お腹の調子を整える」といった謳い文句の食品やサプリメントの原材料を見てみましょう。難消化性デキストリンという成分が含まれています。この難消化性デキストリンも水溶性食物繊維の一種です。

食物繊維の効果が広く知られるようになったからこそ、食物繊維をたくさん含んだ食品が多く販売されています。単品であれば体にいい物でも、たくさん組み合わせることでとり過ぎになることもあります。健康食品やサプリメントはバランスを考えてとり入れるようにしてください。

 

食物繊維はできるだけ食事から上手に取り入れよう

食物繊維のとり過ぎを防ぐ方法としては、健康食品やサプリメントをなるべく使わないことがおすすめです。体に必要な食物繊維はしっかりと食べ物からとるようにすれば、とり過ぎになることはまずないと言っていいでしょう。

食物繊維を多く含む食材としては、大豆海藻、きのこ、果物、野菜、芋類根菜類などがあります。また、玄米や全粒粉など胚芽を含む食品も食物繊維が豊富です

いつもの食事に切り干し大根や大豆の煮物をプラスしたり、ふだん食べているご飯を玄米に変えたりといった工夫で、食物繊維はしっかりとれます。小麦粉の麺を九州まーめんなどの大豆麺に変えると、手間なく食物繊維をとることができてとてもおすすめですよ。

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食物繊維は美容とダイエットの強い味方!

食物繊維は美容とダイエットの味方!

食物繊維は余分な栄養の消化吸収を防ぎ、便秘を解消してくれるなど、美容やダイエットのためにはなくてはならない強い味方です。食物繊維を意識することでバランスのいい食事を意識することにもつながります。

とり過ぎることでのデメリットよりも、むしろ不足を心配したい食材です。健康食品やサプリメントはほどほどにしつつ、普段の食事の際に意識してたくさんとるようにしましょうね。

 

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参考: 

「食物繊維の働きと1日の摂取量」-健康長寿ネット

e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」-厚生労働省

みんなの食育「ビタミンと食物繊維」-農林水産省

日本食品標準成分表2020年版(八訂)-厚生労働省 (引用)

日本人の食事摂取基準-厚生労働省(2020年版) (引用)