糖質と糖類の違いって何?ダイエットに必要な知識を紹介

糖質と糖類の違いを説明することができますか?実は似ていますが、厳密には意味している成分が異なります。この記事では、糖質と糖類の違いや糖質ゼロ・糖類オフなどの食品が実際にどのくらいの糖質や糖類が含まれているのかを紹介します。また、糖質や糖類を控えたい人が摂取している人工甘味料についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

糖質と糖類の違い

糖質と糖類は似たような言葉ですが、それぞれの違いをご存知でしょうか。それぞれの定義と働きを紹介します。

糖質とは

糖質とは「炭水化物から食物繊維を抜いたもの」です。糖質は体や脳のエネルギー源となる栄養素で、人間の体を動かすために欠かすことができません。代表的な糖質はデンプン・糖アルコール・オリゴ糖などです。
糖質は体を動かすために必要な栄養素ですが、摂りすぎてしまうとエネルギーとして使われず中性脂肪となって体内に蓄えられてしまいます。一方、糖質が不足すると疲労を感じやすくなったり集中力が低下したりという悪影響があります。

糖類とは

糖類とは「単糖類」や「二糖類」の総称で、糖質が消化酵素によって分解されたときに生産されます。糖質と糖類の関係性をまとめると「炭水化物>糖質>糖類」となります。
糖類も糖質と同様に体のエネルギー源となります。ただし、糖類は食後の血糖値に関与する成分です。血糖値が急激に上がるとインスリンが多く分泌され、脂肪を貯めやすくなったり糖尿病のリスクが高まったりします。

 

糖質ゼロと糖類ゼロの違い

ご飯の糖質

糖質ゼロは糖類(砂糖など)・多糖類(でんぷんなど)・糖アルコール(キシリトールなど)を含みません。一方、糖類ゼロは砂糖やブドウ糖などの糖類は含みませんが、キシリトールなどの甘味料が使われている場合があります。
糖質「ゼロ」や糖類「ゼロ」と表記されていますが、厳密には食品100g当たり(100ml当たり)の含有量が0.5g未満と食品表示法の食品表示基準によって定められています。わずかですが糖質や糖類が含まれています。

引用:消費庁 栄養成分表示及び栄養強調表示とは

糖質オフと糖類オフの違い

食品表示法の食品表示基準によって定められている「○○ゼロ」に対し、「○○オフ」の表記に関しては明確な基準はありません。
一般的に糖類オフは
①食品100gあたり5g以下(飲料では100mlあたり2.5g以下)
②比較対象食品に比べて低減された割合が25%以上
という2つの条件を満たした時に表記されています。一方、糖質オフは比較対象食品と比べて低減されていた場合に糖質〇%オフと表記されます。

 

糖質オフに欠かせない人工甘味料とは

糖質オフや糖類ゼロと表記されている食品でも、一般的な食品と変わらず甘みを感じるものが多く販売されています。それは糖質や糖類の代わりに糖アルコール非糖質系甘味料が代わりに使われています。
非糖質系甘味料の中でも化学的に合成されているものを人工甘味料と呼び、砂糖の甘さを1とする甘味度が数十~数万もあるため少量でも甘みを感じやすくすることができます。

人工甘味料のメリット

人工甘味料を使うメリットは3つです。

①摂取カロリーを減らすことができる
甘味度が高い人工甘味料は低カロリーで、砂糖を使うよりもはるかに少ない量で同じくらいの甘みを再現することができます。

②血糖値が上がりにくい
人工甘味料を使うと食後の血糖値が上がりにくくなるので、肥満や糖尿病の予防や治療の役に立つのではないかと言われています。

③虫歯の予防になる
キシリトールなど一部の人工甘味料は微生物によって発酵されないため虫歯になりにくいとされています。ガムなどで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?

人工甘味料のデメリット

一方、人工甘味料を使い始めてからまだ歴史が浅いため、長期的に人体に及ぼす影響については不明で今後も注視する必要があります。現在問題とされているデメリットは2つです。

① 習慣的に人工甘味料を摂取することにより、血糖値を正常範囲に保つ能力が異常となり糖尿病の発症や悪化を招く
人工甘味料を摂取しても血糖値が上がらないことで、甘味に関する感覚が鈍くなり摂食行動が促進されると考えられています。

② 人工甘味料によって腸内環境に変化が起きる
人工甘味料は体内で吸収や分解が行われないため、腸まで届き下痢になりやすいなどの影響が考えられています。

人工甘味料の安全性

人工甘味料を始めとした食品添加物は、多くの試験を行って1日に摂取しても安全な量が定められています。生涯にわたって毎日摂取し続けても体に影響が出ないと考えられる1日あたりの量を体重1kgあたりで示した値は、一日摂取許容量(ADI)と呼びます。ADIを超える量の食品は販売されていませんが、1日で多くの人工甘味料が使われている食品を大量に摂取することは避けた方が良いでしょう。

 

糖質と糖類の違いを知って健康的な食事を摂ろう

糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもの、糖類は単糖類や二糖類の総称です。どちらも人間の体を動かすために必要な栄養素ですが、摂りすぎると肥満や糖尿病の原因となります。
糖質や糖類を控えるためにカロリーを減らし血糖値を上げない効果がある人工甘味料は有効ですが、長期的に大量に摂取することは控えた方がよいでしょう。

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参考: 

糖質と糖類って、何が違うの? | Sweeten the future – カンロ
「糖質オフ・糖質ゼロ・糖類ゼロ」の違いを食品表示のプロが解説|オージーフーズ
甘味料で糖質オフ? ~甘味料のメリットとデメリット~|地方独立行政法人大阪k健康安全基盤研究所