食物繊維はカロリーゼロで、ダイエットに役立つことをなんとなく知っている人も多いでしょう。ダイエットをするかどうかに関わらず、食物繊維は私たちが健康な生活が送れるよう体内で有効に働いてくれます。では、食物繊維のどんな働きがダイエットに向いているのでしょうか? 今回は、食物繊維の役割や上手なとり方について解説します。
ダイエットに役立つ食物繊維の役割とは?
食物繊維には、糖質や脂肪の吸収を抑える働きがあります。食事のボリュームを保ったままカロリーを抑えたり、お腹の調子をサポートしたりするなど、ダイエットに嬉しいことばかり。ここでは、それぞれの役割を詳しく説明します。
糖質の吸収を抑えて過剰なカロリー摂取を防ぐ
糖質は私たちの体を動かすための大切なカロリー源です。でも、摂取しすぎると、脂肪として蓄えられたり、血糖値を急激に上げてしまったりする弊害もあります。
食物繊維には糖質の吸収を抑え、過剰なカロリー摂取を防ぐサポートが期待できます。特に水に溶けやすい水溶性食物繊維は、消化と吸収のスピードを緩やかにする助けをするのが特徴。血糖値の急上昇の防止もサポートします。
ダイエットではカロリーコントロールが大切ですが、糖質を完全にカットするのはよくありません。エネルギー不足になって体調を崩すことがあるからです。糖質を適度に摂取しつつ、食物繊維で過剰摂取を防ぐのがダイエットを無理なく続けるコツです。
脂肪の吸収抑制・排出のサポート
脂肪分はダイエットの大敵。そうでなくても、脂肪のとり過ぎは肥満や生活習慣病のリスクを高めます。しかし、3大栄養素のひとつである脂肪は、私たちの体に必要なものであることを忘れてはいけません。
脂肪が不足すると、ビタミンA・D・E・Kといった脂溶性ビタミンの吸収がうまくいかなくなり、ビタミン欠乏症を引き起こします。健康的なダイエットを目指すなら、食事に脂肪をとり入れることが不可欠です。でも、高カロリーな食事にならないか心配になりますよね。
その解決策は、食物繊維を多く含む食品を積極的に食べることです。食物繊維には脂肪の吸収を抑えて体外に排出するのをサポートする働きがあります。糖質と同様に、脂肪の摂取をゼロにするのではなく、適度にとりつつ食物繊維で過剰摂取を避けるのが上手なやり方です。
低カロリーのまま食事量を増やせる
食物繊維は炭水化物の一種ですが、体内で消化・吸収されないためカロリーはありません。基本的に食物繊維を多く含む食品は低カロリーです。食事の中に食物繊維を多めに取り入れて、総カロリー摂取量を減らせば無理なくダイエットができます。
食物繊維は胃腸の中をゆっくりと移動するので、腹持ちがよく間食も抑えられます。おやつを食べなくなれば、それだけ1日のカロリー摂取量が減り、体重も落ちやすくなることが期待できます。
もちろん、食物繊維の多い食事であったとしても食べ過ぎれば体に負担がかかります。今まで食べ過ぎていたと思っている人は、ダイエットを機会に食事量を減らしていく努力もしていきましょうね。
整腸の働きを助け、お腹の巡りもサポート
食物繊維にはお腹の調子を助ける働きがあります。これは食物繊維によって腸内フローラがキープできるためです。
腸内フローラとは、腸の中の細菌の集合体のこと。腸には1,000種類もの細菌が住んでいて、細菌たちは善玉菌と悪玉菌に分けられます。食物繊維は善玉菌のエサとなり繁殖しやすくするのです。
さらに、食物繊維には便量を増やしてお通じを助ける働きも。不溶性食物繊維は水分を吸って体積が増え、腸を刺激して排便を促してくれます。
便秘は美容の大敵とよくいいますが、主に肌荒れの原因になるためです。便秘によって腸内の悪玉菌が作り出す腐敗物質が体をめぐり皮膚に悪影響を与えます。食物繊維をとって善玉菌を増やしせば、減量にも繋がり、お肌にも嬉しいですね。
ダイエット中に食物繊維を上手にとる方法
ダイエットに有効な食物繊維ですが、意識して食事にとり入れるのは難しいと感じる人もいるでしょう。 食物繊維を多く含む食品は主に野菜です。野菜が苦手なら、あまりたくさんは食べられませんよね。 ここでは、食物繊維を上手にとる方法を解説します。
食物繊維が多い食品を主食にしてみる
効率的に食物繊維をとりたい場合は、おかずだけではなく主食にもとり入れるのがおすすめです。食物繊維を多く含む主食としては、玄米やオートミールなどが挙げられます。例えば、3食のうち1食の主食を玄米やオートミールにするだけでも、食物繊維の摂取量を増やせるんです。
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野菜が好きな人ならやりようはいくらでもありますね。キャベツの千切りやイモ類を主食代わりにするのも効果的です。糖質も減らせるのでカロリー面でもダイエットに役立ちます。
食物繊維を1日20g以上摂取することを目標に
食物繊維を十分にとろうとすると、1日にどれくらいの野菜を食べなければならないのでしょうか。日本人の食事摂取基準では、食物繊維の1日の摂取量の目安は男性20g、女性18gです。1日20g以上を目標にしたいところですが、実はなかなか難しいことなんですよ。
例えば、キャベツ100gあたりの食物繊維は1.8gで、1玉(約1,000g)を全部食べてやっと18g。ほかの葉物野菜の食物繊維の量もそれほど多くはありません。100gあたりならレタスでも1.1g、白菜でも1.3g程度しかないです。
ほかに食物繊維を豊富に含む食品としては、豆類やキノコ類、根菜類、海藻などがあります。ただ、どれも大量に食べられるものではないですよね。食物繊維が豊富な食品を少しずつ、3食に分けてとり入れていきましょう。
引用:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
食物繊維をとるときの注意点
ダイエットに食物繊維が効果的だからといって、間違った摂取のしかたをしてしまうと逆効果です。 ここで挙げる注意点を守って、食物繊維をダイエットに役立ててくださいね。
サプリメントに頼りすぎない
食物繊維不足を自覚していても、食事ですべてまかなうのは難しいものです。場合によっては、食事以外にサプリメントなどの補助食品で補うのも仕方のないことでしょう。
ただし、サプリメントに頼るのはあくまでも不足分だけ。基本は野菜などの食品からとるようにしてくださいね。野菜をほとんど食べずに、食物繊維だけをサプリメントで摂取するのは体調を崩す原因にもなるからです。
食物繊維を多く含む食品は、ビタミンやミネラルも豊富。健康的なダイエットをするためには栄養バランスのとれた食事が理想なので、一定量の野菜を食べることを強くおすすめします。
胃腸の調子が悪いときや便秘のときにとりすぎない
食物繊維をとるといいことばかりのように思えますが、何事もメリットとデメリットがあるものです。食物繊維も例外ではありません。
食物繊維は消化吸収されないまま体内をゆっくりと移動するため、胃腸に相応の負担があります。胃腸の調子が悪いときに大量にとると、お腹が痛くなったり消化不良を引き起こしたりすることも。
また、便秘のひどい人が不溶性食物繊維をとり過ぎると、かえって悪化する場合があります。ダイエットに夢中になるあまり、食物繊維を過剰摂取しないよう注意してくださいね。
食物繊維はダイエットの強い味方!
食物繊維は糖質や脂肪の吸収抑制のサポートするというのがダイエットに役立つ最大の理由です。また、食物繊維の多い食品を意識的にとることで、食事量をあまり減らさずに低カロリーな食生活に変えられます。摂取目標は1日20gと少し大変ですが、豆類やキノコ類、根菜、海藻などを上手に取り入れれば達成可能です。
ただし、食物繊維がダイエットによいからといって食べ過ぎには注意。胃腸に負担がかかったり便秘が悪化したりしますよ。
糖質を抑えるなら「九州まーめん」もおすすめです。大豆100%のため、100gあたりの食物繊維はなんと18.6gもあります。糖質制限食にぜひ取り入れてみてください。
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▼大豆の食物繊維についての記事はこちら
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参考:
食物繊維には血糖値の上昇を抑える効果が!その理由を解説-カラダニイイコト
食欲を満たし、肥満も防ぐ 食物繊維の知られざるパワー-NIKKEI STYLE
【腸活コラム】便秘になると肌荒れが発生するのはなんで?原因を徹底解説!-カラダチェック
日本食品標準成分表2020年版(八訂)-文部科学省(引用)