「炭水化物=太る」というイメージから、ダイエット中は避けている方も多いのではないでしょうか?だからといって、食べない・食べる量を極端に減らすと、体にとって必要なエネルギーが補えず、体調を崩してしまいます。
健康的にダイエットしたいのであれば、炭水化物を一切とらないのではなく「必要な量を、ほかの栄養素と組み合わせてバランスよくとる」ようにしましょう。
この記事では、炭水化物の役割を解説するとともに、炭水化物が少ない食材とそのおすすめレシピを紹介します。ダイエット中の食事を考える参考にしてください。
炭水化物とは?
「炭水化物=太る」「炭水化物=ダイエットの敵」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは誤解です。
炭水化物が少ない食品を紹介する前に、炭水化物の働きを正しく知っておきましょう。
糖質を一切とらないのはNG!
炭水化物とは、食品に含まれる糖質と食物繊維を指します。
どちらも体を健やかに保つには欠かせない栄養素ですが、糖質のとり過ぎは肥満につながるので注意が必要です。
だからといって、糖質を一切とらないと、体を壊してしまいます。
糖質が不足すると、エネルギーが不足して疲れやすくなるだけでなく、糖質の代わりにタンパク質をエネルギーとして消費するため、筋肉量が落ちて太りやすくやせにくい体になってしまうのです。
大切なのは、自分の体に必要な糖質量を正しく把握することです。
自分の体に必要な糖質量は、PFCバランスから求めることができます。
PFCバランスとは、食事における「タンパク質(Protein)」・「脂質(Fat)」・「炭水化物(Carbohydrate)」のバランスの目安で、タンパク質13~20%・脂質20~30%・炭水化物50~65%が理想的なバランスとされています。
ダイエット中の食事の献立を考えるときは、ぜひPFCバランスも考えてメニューを選んでみましょう。
糖質は食物繊維と一緒にとるのがポイント
炭水化物のうち糖質は、とり過ぎると肥満になってしまいます。また、糖質の多い食品は食後の血糖値が急上昇・急降下しやすく、空腹感を覚えやすいです。
この欠点を補うのに、食物繊維が活躍します。食物繊維は、糖質の消化・吸収のスピードを緩やかにして血糖値の急上昇・急降下を抑えてくれるからです。
血糖値の急上昇・急降下が抑えられることで、満腹感が長く続くだけでなく、吸収しきれなかった糖質が中性脂肪として体に蓄えられるのも防ぎます。
食品を選ぶ際は炭水化物の内訳にも注目して、糖質が多い食品には食物繊維が豊富な食材を組み合わせるようにしましょう。
炭水化物が少ない食品6選
それでは炭水化物が少ない食品を6つご紹介しましょう。
鶏ささみ・鶏むね肉
タンパク質が豊富な鶏ささみや鶏むね肉は、炭水化物が少ない食品の代表です。
含まれている炭水化物はそれぞれ、鶏ささみ・鶏むね肉ともに0gなので、炭水化物を気にする人にはぴったりの食品と言えます。
味もクセがなく淡白なので、アレンジしやすいのも魅力です。
大豆・大豆製品
大豆や大豆製品は、糖質が少なく食物繊維が豊富な食品です。
蒸し大豆100gに含まれる炭水化物13.8gのうち10.6gが食物繊維なので、糖質が気になる方に向いています。
最近は、大豆だけで作られた麺「九州まーめん」など新しい大豆製品も続々と登場しているので、糖質を抑えつつ食物繊維をしっかり補いたい方はチェックしてみてくださいね。
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牛乳・乳製品
牛乳や乳製品は、炭水化物が少ないだけでなく、カルシウムやタンパク質などを効率よく補える食品です。
ただし、脂質もそれなりに含んでいるので、脂質も気にするのであれば低脂肪牛乳や無脂肪乳を選ぶようにしましょう。
牛乳100mlに含まれる炭水化物は4.8gでそのすべてが糖質です。
牛や豚の赤身肉
牛や豚の赤身肉は、タンパク質を豊富に含む一方で、炭水化物が少ない食品です。脂質が少ない赤身肉ですが、部位によってはある程度脂質が含まれるので、食べ過ぎには注意しましょう
また、ダイエット中は調理法にも気を配ることが大切です。
油で揚げる・炒めるなどの調理法は、カロリーが高くなりがちです。茹でる・蒸すなど、油を使わない調理法で調理すると、カロリーを抑えながらおいしく食べられますよ。
牛ヒレ肉100gあたりの炭水化物量は0.4g、豚ヒレ肉100gあたりの炭水化物量は0.1gです。
サケやタラなどの白身魚
ダイエット中におすすめしたいのが、サケやタラなどの白身魚です。
タンパク質を多く含んでいる一方で炭水化物が少なく、肉に比べてカロリーが低いため、タンパク質をしっかり補いながらカロリーも抑えたい方に適しています。
サケの切り身100g、タラの切り身100gのどちらも、含まれる炭水化物量は0.1gです。
しめじやエリンギなどのキノコ類
しめじやエリンギなどのキノコ類は、糖質が少なく食物繊維を豊富に含んでいます。エリンギ100gに含まれる炭水化物6.0gのうち3.3g、ぶなしめじ100gに含まれる炭水化物4.8gのうち3.5gは食物繊維です。
どちらも歯ごたえがよく、旨み成分であるグアニル酸を多く含むので、食べ応えや満足感をキープしながら塩分やカロリーを減らしたい方は上手に活用しましょう。
炭水化物が少ない食品を使ったダイエットメニュー3選
それでは、炭水化物が少ない食品を使ったダイエットメニューを3つご紹介します。糖質を抑えながらタンパク質や食物繊維をたっぷりとって、健康的にダイエットしましょう。
タンドリーチキン
鶏の胸肉を使ったタンドリーチキンは、スパイシーな風味で食が進む1品です。市販のギリシャヨーグルトを使うと、簡単に漬け込みペーストが作れます。
味噌やケチャップ、カレー粉などを混ぜたペーストに30分ほど漬けこんだら、じっくりフライパンで焼くだけの簡単メニューです。
サケときのこのミルクスープ
サケとキノコの具だくさんなミルクスープは、ランチやディナーにぴったり。具材を大きくカットすれば、食べ応えのあるごちそうスープになりますよ。
具材をまるごと煮込むスープの魅力は、食品の栄養を余すところなくとれるところ。寒い日に作って食べたい1品です。
牛肉のオイスターソース炒め
牛の赤身肉は、コクのあるオイスターソースで炒めると、ごはんに合うおかずになります。
牛肉には鉄分も多く含まれているので、栄養バランスの偏りから貧血になりやすいダイエット中は積極的に食べたいですね。
適度に炭水化物もとりながら健康的にダイエットしよう!!
炭水化物というと「ダイエットの敵!」「太り過ぎの原因」と思われがちですが、実際には私たちの体に欠かせない栄養素であることがおわかりいただけたかと思います。
ダイエット中だからといってやみくもに炭水化物を制限する・炭水化物の少ない食品を選ぶのではなく、その内訳やバランスに注目して食品を選ぶようにしましょう。
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参考:
糖質はとりすぎも不足もNG!?糖質コントロールを助ける「低GI食品」とは-大塚製薬
食事バランスガイド-農林水産省(PDF)
なぜ糖質で太りやすくなるの?血糖値をコントロールする食べ方のコツ-大正製薬
高タンパク質低エネルギー食品を紹介!簡単レシピと外食メニューの選び方も合わせて解説-森永製菓
肉類(鶏肉,豚肉,牛肉など)のタンパク質について解説!含む量や調理法などを紹介-森永製菓
アスリートがおすすめ!タンパク質の多い食品解説-江崎グリコ株式会社
引用
文部科学省 食品成分データベース