タンパク質は筋肉や皮膚、髪などを作るために必要な栄養素です。ダイエットをしていると不足しがちになってしまい、体調不良やお肌のトラブルなどに悩まされる方も少なくありません。 少量のタンパク質でも有意義に利用できれば、不足にはならないかもしれません。
そこで今回は、タンパク質がどのように分解され体の栄養分として利用されるかを解説します。効率的に分解され吸収されるために必要なことも説明しますので、上手にダイエットをしていきましょう。
摂取したタンパク質を分解して体に吸収される
タンパク質はアミノ酸が繋がって、さまざまなタンパク質を形成しています。タンパク質は種(しゅ)によって異なるため、一度分解されて体に吸収されてから、ヒトの体で利用される形のタンパク質に変化します。どのように分解されて体内に吸収されるのか、またアミノ酸について説明します。
タンパク質が体内で吸収される仕組み
食べ物が体内に入るとまず胃の中で、消化酵素ペプシンによってタンパク質の構造が変化します。その後食べ物は十二指腸に転送され、膵臓から出る液(膵液)とミックスされます。膵液に含まれるトリプシン、キモトリプシン、ペプチダーゼといったタンパク質分解酵素によって分解が進み、小腸に送り込まれたときにはほとんどがアミノ酸に分解されています。アミノ酸は小腸上皮粘膜から血液に溶け込み肝臓に移動します。
肝臓では約2,000種類もの酵素の働きにより、タンパク質が生成され貯蔵されます。
必須アミノ酸とは?
タンパク質を合成するために必要なアミノ酸の種類は20種類です。そのうち、体内で作られるアミノ酸もありますが、体内で作られないアミノ酸は意識して食物から摂取しないとタンパク質を合成できません。意識して摂取する必要があるアミノ酸を必須アミノ酸と呼びます。
”必須”という言葉が付くために必須アミノ酸の方が、タンパク質生成に重要なのではないかと誤解されるのですが、どのアミノ酸も大切です。ただ体内で生成できないので意識して摂取しなくてはならないというだけです。
そこで役に立つのが、『アミノ酸スコア』です。アミノ酸スコアとは、食品に含まれるタンパク質の量と必須アミノが揃っているかどうかを数値化したものです。タンパク質が豊富で、アミノ酸が全て揃っている食品はアミノ酸スコアが100となり良質のタンパク質と呼ばれます。
タンパク質が不足したらどうなるの?
タンパク質の働きは主に以下のようなものです
●臓器や筋肉、皮膚、毛髪などを構成する
●酵素の材料になる
●免疫機能をサポート
●ペプチドホルモンや神経伝達物質を生成
タンパク質が不足してもすぐに症状が現れるわけではありません。しかし疲れやすい、肌のトラブルがある、集中力がなくなったというような場合はタンパク質不足を疑っても良いかもしれません。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いは?
基本的にタンパク質として体内に入ると動物性、植物性といった区別はなく同じようにアミノ酸に分解されます。ただし食品としての性質やその他の栄養素が異なります。
植物性タンパク質の代表といえば大豆ですが、脂質をほとんど含まず低カロリーであることが特徴です。
植物タンパク質は劣っている?
動物性タンパク質は必須アミノ酸が全部揃っています。そのため植物タンパク質の方が劣っていると思っている人も多いのではないでしょうか?
ここではタンパク質の量や必須アミノ酸が含まれているかどうかでタンパク質の質を表す『アミノ酸スコア』を食品ごと表にしたのでご確認ください。
食品 | アミノ酸スコア |
牛乳 | 100 |
卵 | 100 |
アジ(魚) | 100 |
豚肉 | 100 |
大豆 | 100 |
豆腐 | 100 |
精白米 | 61 |
食パン | 42 |
大豆や大豆製品はアミノ酸スコアが100で、動物タンパク質同様に優れていることがわかります。
大豆タンパク質の分解速度が遅い
基本的に植物性タンパク質も動物性タンパク質も同じようにアミノ酸に分解されて体に吸収されます。ただ、分解速度が異なります。分解速度が遅いとどのようなメリットがあるのかを説明します。
タンパク質を摂取して有効に利用されるためには、アミノ酸濃度が一定であることが条件です。例えば乳たんぱくは血中のアミノ酸濃度を即効で高めますが、すぐに濃度が低下してしまいます。
一方大豆タンパク質は体内に入ってからすぐにアミノ酸濃度を上げることはありませんが、吸収速度が遅いためアミノ酸濃度の低下がゆるやかです。
また乳タンパク質は体内に入って筋肉合成を促進し、大豆タンパクは体内のタンパク質(皮膚や髪、筋肉)が分解されるのを抑制されるといわれます。
タンパク質の種類を限定せずにさまざまなタンパク質を摂取した方が良いようです。
大豆でタンパク質を摂るその他のメリット
大豆は豆腐などカロリーを抑えた食べ方が豊富で、ダイエット中に積極的に食べたい食品です。
それだけではなく、大豆にはタンパク質以外にもビタミン類が豊富に含まれています。特に摂取しにくいビタミンB類やKなどが含まれているので、体調を整えてくれます。以下の記事も参考にしてくださいね。
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効率的なタンパク質分解に必要なもの
ダイエットをしていると摂取するタンパク質も少なくなりがちです。摂取したタンパク質を体内で効率的に分解し、利用していくために次の点を意識してください。
●腸内環境を良くする
●適切な量の糖質
●お腹に優しい食材でタンパク質を摂取
意識してタンパク質を摂取しているのに、なんとなく疲れやすいと感じている方はもしかしたらタンパク質が分解されていないのかもしれません。
腸内環境を良くする
腸内環境は、タンパク質だけではなくその他の栄養素を吸収するためにも大切なポイントです。腸内環境を改善するためには次のことを試してください。
●発酵食品を摂ること
●食物繊維を摂ること
●バランスのとれた食事
また意識してタンパク質を摂取しすぎるとアンモニアが生成され、腸内環境を悪化させる可能性があるためできるだけ腸内環境を良くするように気をつけましょう。
適切な量の糖質
タンパク質を分解するためにも、アミノ酸を再度ヒトの体に適切なタンパク質に合成するためにもエネルギーが必要です。エネルギーを確保するために、ある程度の糖質を摂取する必要があります。また糖質が不足するとタンパク質がエネルギーとして利用されるため、タンンパク質不足の原因にも。
ダイエット中でも最低限の糖質は摂取することが大切です。
お腹に優しい食材でタンパク質を摂取
食べているのにタンパク質不足が起きるのは、体がうまくタンパク質を分解できないためです。
プロテアーゼやペプシドといったタンパク質分解酵素は、タンパク質の一種です。そのためタンパク質が不足すると酵素自体の不足の原因となり分解しにくくなります。
だからといって酵素をサプリなどで摂取したとしても、酵素自体がタンパク質でできているため酵素として働かずお腹の中でタンパク質として分解されてしまいます。
臓器の中でタンパク質分解酵素を生成できるよことが大切です。そのためにはどうしたら良いのでしょうか?
お腹に優しい食材でタンパク質を補給しましょう。九州まーめんは100%九州産大豆で作られた麺で、和風にもエスニックにも合います。1玉当たりタンパク質が14.9gも含まれています。
さらに食物繊維は1玉あたり6.2gも含んでいるので、まーめんならお腹に優しくタンパク質を摂取できます。
ミネラルの多い野菜と一緒にスープにするとタンパク質分解を助けてくれますよ。
またまーめんには1玉あたり5.1gと、適量の糖質が含まれていることもメリット。
うどんと比較してみましょう。(可食部分100gで比較:うどんはゆで100g、まーめんは1玉33gですが茹でると100g)
糖質 | タンパク質 | |
九州まーめん | 5.1g | 14.9g |
うどん | 20.3 | 2.6 |
タンパク質分解を促進して効率的に摂取
タンパク質を分解し体内に吸収されるシステムや分解がスムーズになるための方法を紹介しました。
タンパク質はアミノ酸に分解されて体内に吸収され、肝臓でヒトの体に合ったタンパク質が生成されます。タンパク質には動物性タンパク質と植物性タンパク質がありますが、それぞれに特徴がありできれば幅広い種類のタンパク質を摂取することが大切です。
九州まーめんは植物性タンパク質が豊富で糖質が低めで、和風にも洋風、中華にも合う麺です。
このような大豆由来の食材を利用しながら、効率的にタンパク質を吸収・分解する食事をとって健康になりましょう。
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参考:
タンパク質はどのように消化・吸収される? – よくある質問 – 財団法人日本食肉消費総合センター
人間の体はタンパク質でできている。タンパク質・アミノ酸・ペプチドの関係を解説-森永製菓
タンパク質の不足で起こる諸症状、その症状と対策とは-江崎ぐグリコ株式会社
改訂 日本食品アミノ酸組成表 について 国立栄養研究所基礎栄養部 岩谷 昌子