牛乳に含まれる糖質はどれくらい?糖質制限中でも飲んでいいの?

牛乳に含まれる糖質はどれくらい?糖質制限中でも飲んでいいの?

牛乳というと、カルシウムやタンパク質が豊富で体にいいイメージがありますよね。でも、糖質制限中の方のなかには「牛乳って糖質も多いんじゃないの?」「糖質制限中に飲んでもいいの?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、牛乳に含まれる糖質量を解説するとともに、牛乳にまつわる噂のウソ・ホントもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

牛乳のことをよく知って、糖質制限中の食事に役立てましょう!

 

牛乳に含まれる糖質の量

牛乳に含まれる糖質の量

牛乳は、学校の給食にも欠かさず出てくるなど、とてもなじみ深い飲み物ですよね。タンパク質やカルシウムが豊富なイメージがありますが、糖質量はどうなのでしょうか?

糖質制限中でも飲んでいいのかについて、糖質量から見ていきましょう!

 

コップ1杯あたりの糖質量は9.4g

牛乳は乳牛の乳を搾っただけの生乳を加熱殺菌して瓶やパックなどの容器に詰めたもので、その成分内容や加工の有無によって

・牛乳
・成分調整牛乳
・低脂肪牛乳
・無脂肪牛乳
・加工乳
・乳飲料

に分けられます。

オーソドックスな普通牛乳の場合、コップ1杯(200ml)あたり134kcalで、含まれている糖質は9.4g。脂質は7.6g、タンパク質は6.6gです。

 

豆乳やアーモンドミルクと比較すると糖質は多め

豆乳やアーモンドミルクと牛乳を比較すると、脂質・糖質は牛乳の方が多めです。

成分無調整の豆乳200mlあたりのタンパク質は7.2gであるのに対し牛乳は6.6g、脂質と糖質は豆乳がそれぞれ4.0gと2.0gである一方、牛乳は7.6gと9.4gです。

アーモンドミルク(無糖)と比べると、牛乳よりもアーモンドミルクのほうが低カロリー・低糖質です。

糖質の量だけを見ると「牛乳は豆乳などに比べて糖質が多い」といえますが、注目したいのは牛乳に含まれる糖質の種類です。

牛乳に含まれる糖質は、その99.8%が乳糖(ラクトース)です。

乳糖は、おなかの中にいる乳酸菌やビフィズス菌のエサになるほか、カルシウムと鉄分の吸収率を高める働きもあるので、決して悪いものではありません。

「一切とらない」のではなく、自分の体に合わせて適度にとり入れるようにしましょう。

 

 

牛乳は栄養バランスがいい食品

牛乳は栄養バランスがいい食品

ここまで読んで、「豆乳やアーモンドミルクのほうが糖質量は低いなら、糖質制限中は牛乳を飲むのは控えようかな……」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、牛乳には豆乳やアーモンドミルクにはないメリットがあるんですよ。

牛乳を飲むメリットをご紹介しましょう!

 

三大栄養素がバランスよく含まれている

私たちの生命を維持するには、タンパク質・脂質・炭水化物の3大栄養素が欠かせません。牛乳は、この3つの栄養素をバランスよく含んでいる食品です。

しかも、牛乳に含まれるタンパク質は質がよく、9種類の必須アミノ酸を含む20種類のアミノ酸が含まれています。1日コップ2杯牛乳を飲めば、体に必要なアミノ酸が補えるほど、栄養豊富なんですよ。

 

不足しがちな栄養素も多い

牛乳には、カルシウムやビタミンB2・ビタミンB12など不足しがちな栄養素もたっぷり含まれています。

特にカルシウムはコップ1杯で1日に摂りたい量の3分の1を補うことができるので、効率的にカルシウムを補いたい方にはぴったりの飲みものです。

特に女性の場合、年齢とともに骨密度が下がり、骨粗鬆症になってしまうことが珍しくありません。日ごろから積極的にカルシウムを補うことで、骨密度が低下するリスクが減らせるため、ぜひ1日1杯の牛乳を習慣にしましょう。

 

効率よく栄養を補える

牛乳は、少ない量で体に必要なエネルギーを効率よく補える食品です。

タンパク質・脂質・糖質・カルシウム以外にも、ビタミンやミネラルなどを豊富に含んでいるため、栄養バランスが偏ったり栄養が不足したりしがちなダイエット中にこそ積極的にとってほしい食品といえます。

牛乳のカロリーは、コップ1杯(200ml)あたり約138kcalで、これは30代女性が1日に必要とするカロリー(2,050kcal)のわずか6%程度にすぎません。

なんとなく「カロリーが高そう」「脂肪分が多そう」という理由で避けているのであれば、今日からでも毎日の食事に牛乳をプラスしましょう。

 

牛乳にまつわる噂のウソ・ホント

牛乳にまつわる噂のウソ・ホント

ここからは、牛乳にまつわる噂がウソかホントかをお伝えしましょう。

一説には「牛乳を飲むと太る」とか「牛乳を飲むと食後の血糖値が上がりにくくなる」などと言われていますが、これは本当なのでしょうか?

牛乳にまつわる噂の真偽を確かめて、牛乳を正しく理解するきっかけにしてくださいね。

 

牛乳を飲むと太るって本当?

「牛乳は栄養豊富だから、飲むと太る」などと言われることがありますが、これは間違いです。

むしろ、ダイエット中こそ積極的にとりたい食品といえます。

そもそも、どうして人間が太るのかというと、食事から摂取するカロリーが消費するカロリーより上回る状態が続くと、消費しきれなかった糖質や脂質が脂肪として体に蓄えられて太ります。

ダイエットしたいのであれば、栄養豊富な食品を避けるよりも、1日の摂取カロリーが消費カロリーを下回るよう食事の量や内容を調整しましょう。

牛乳は、確かに豊富な栄養素をバランスよく補える「準完全栄養食品」ですが、カロリーはそれほど高くありません。したがって、毎日リットル単位で大量に飲み続けるようなことをしなければ、牛乳によって太ることは考えにくいといえます。

むしろ、体づくりに欠かせないタンパク質や、ダイエット中に不足しがちなビタミン類・脂質を効率よく補えるため、ダイエット中にぴったりの食品です。

 

牛乳を飲むと食後の血糖値が上がりにくくなるって本当?

「牛乳を飲むと食後の血糖値が上がりにくくなる」という話を聞いたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか?

結論から言うと、この話は本当です。

私たちの体は、食事をすると血液中のグルコース濃度が急に高くなり、高血糖の状態になります。健康な人であれば、高血糖の状態はそれほど長引かず、速やかに正常値まで下がっていきます。

しかし、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の分泌が少なかったり、働きが弱かったりする人の場合、高血糖の状態が続きます。すると、血管が傷ついて動脈硬化を引き起こしたり、糖尿病などさまざまな病気のリスクが高まったりしてしまうのです。

これを防ぐには、食後の血糖値の急上昇を抑える必要があります。

食後の血糖値の急上昇を抑える方法はいくつかありますが、「食事中に100mlの牛乳を飲む」というのは誰でも手軽に取り入れられる方法で、おすすめです。

牛乳に含まれる糖質である「乳糖」は、消化・吸収に時間がかかるため、血糖値への影響が少ないといわれています。

食後の血糖値の急上昇が気になるのであれば、いつもの食事にコップ半分の牛乳をプラスすることで、食後の血糖値が急上昇しにくくなりますよ。

 

牛乳の飲み過ぎはNG!上手に食事に取り入れましょう

牛乳に含まれる糖質や牛乳の魅力、牛乳にまつわる噂の真相をお伝えしました。栄養豊富で、食後の血糖値の吸収も抑えてくれるなんて、牛乳がとても魅力的に感じますよね。

だからといって、飲み過ぎには注意しましょう。どんなに体にいいものでも、とり過ぎは体に毒です。

ダイエット中に牛乳を取り入れる際は、1日コップ1~2杯を目安にしてください。食事と一緒にとることで、手軽に不足しがちな栄養を補えるだけでなく、食後の血糖値の急上昇も抑えられますよ。

 

…………………………

参考:

牛乳まめ知識豆知識vol.1生乳と牛乳-関東生乳販売農業協同組合連合会

アーモンドミルクとは – アーモンドミルクの特長-アーモンドミルク研究会

牛乳の炭水化物-一般社団法人 Jミルク

牛乳の栄養成分 | findNew 牛乳乳製品の知識-一般社団法人Jミルク

牛乳の栄養』-株式会社 明治

牛乳のたんぱく質 | findNew 牛乳乳製品の知識-一般社団法人Jミルク

牛乳を飲んでも大丈夫?-公益財団法人 骨粗鬆症財団

摂取カロリー、気にしてる?1日の摂取カロリーの目安とは-大塚製薬株式会社

牛乳を飲むと太るって本当ですか?-一般社団法人 日本乳業協会

血糖値|e-ヘルスネット-厚生労働省

血糖値コントロールで糖尿病&肥満の予防・改善を-牛乳は低GIの優等生!-一般社団法人Jミルク

文部科学省 食品成分データベース(引用)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)(引用)