最近ではタンパク質の必要性が見直されて、タンパク質を強化した食品が多く販売されています。しかし、タンパク質にはどんな効果があるか、ご存じでしょうか知っていますか?タンパク質の効果を知らずに、ただやみくもにタンパク質をと摂るのでは効果が得られないかもしれません。
この記事では、タンパク質の効果を解説するとともに、タンパク質の種類やタンパク質の効果を高めるポイントをお伝えします。毎日を健やかにイキイキと過ごしたい方は、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
タンパク質が体にもたらす効果とは
タンパク質は、筋肉や内臓、血液、髪の毛、肌など、体のありとあらゆる場所に使われる栄養素です。タンパク質が足りないと、体の機能が維持できず健康的な生活が送れません。では、具体的なタンパク質の効果を説明しましょうす。
筋肉を合成・維持
筋肉は体を動かすのに必要なだけでなく、多くのエネルギーを消費する部位です。筋肉は基礎代謝量のうち、約22%も担っています。これは、全身の臓器の中でも最も代謝量が多いということ。
筋肉が少ないとエネルギーを消費しづらい体、つまり基礎代謝が低い体ということになります。タンパク質を摂取することで、筋肉を合成または維持し、基礎代謝量をキープできるのです。
健やかな肌や髪をつくる
肌や髪にも、タンパク質が関係しています。肌のハリツヤに関係するのはコラーゲンですが、このコラーゲンはタンパク質が原料です。
なお、タンパク質が不足すると肌や髪に影響が出やすいのは、生命維持にあまり関係がない部位だから。内臓や筋肉などの機能維持を優先するため、肌や髪は後回しにされます。
免疫細胞をつくる
ウイルスや細菌と戦う免疫細胞も、タンパク質が原料です。タンパク質が不足すると免疫機能の低下につながり、感染症にかかりやすくなりってしまいます。
ホルモンや神経伝達物質をつくる
体の機能を調整するホルモンや、集中力などに関係する神経伝達物質の製造もタンパク質が必要です。不足すると集中力がの低下したり、脳の認知機能が低下したりします。
タンパク質の種類
タンパク質は、動物性と植物性の2種類に分けられます。動物性は肉や魚、卵、乳製品など、植物性は大豆、穀物などが該当します。それぞれの特徴をくわ詳しく説明しましょう。
動物性タンパク質の特徴
動物性タンパク質の特徴として
・タンパク質の含有量が多い
・必須アミノ酸を多く含む
といったものがあります。
たとえば、木綿豆腐100gと鶏むね肉100gを比較してみましょう。木綿豆腐はタンパク質が7.0gに対し、鶏むね肉は24.4gと圧倒的な差があります。動物性タンパク質は動物の筋肉なので、タンパク質の量が多くなるのです。
また、必須アミノ酸を多く含んでいるのも特徴です。そもそもアミノ酸とは、タンパク質を分解した最小単位のこと。必須アミノ酸は文字どお通り、体に必要不可欠なアミノ酸という意味です。体の中で合成できないため、食品から摂取する必要があります。
そして必須アミノ酸をバランスよく含んでいるかどうかをチェックするには、アミノ酸スコアでみますが必要です。アミノ酸スコアが100に近いほど、必須アミノ酸をバランスよく含んでいるといえます。動物性タンパク質はアミノ酸スコアが100に近いものが多いのです。
例:鶏もも肉100、豚ロース100、牛乳100、卵100など
植物性タンパク質の特徴
植物性タンパク質の特徴には
・脂質が少ない
・低カロリー
などがあります。
植物は動物のように脂質をため込む必要がないため、脂質は少ないのが特徴です。そして脂質が少ないということは、低カロリー。ただし、必須アミノ酸をすべて含む食品が少なく、アミノ酸スコアも100を切るものが多く々あります。
植物性タンパク質は、低脂質かつ低カロリーであることから、ダイエット向きの食品だといえますが、植物性タンパク質ばかり食べていると、不足する必須アミノ酸が出てくることも覚えておきましょう。
動物性タンパク質と植物性タンパク質、それぞれをバランスよく食べることが大切です。
タンパク質は毎日コンスタントに摂取する必要がある
髪や爪が伸びるのは、細胞が新しく生まれ変わっているためからです。髪や爪といった目に見える場所だけでなく、内臓や筋肉も古い細胞と新しい細胞が日々入れ替わっています。タンパク質はある程度体の中に貯蔵されてしていますが、それだけでは足りません。不足分を食事から補う必要があります。
では、どれくらいのタンパク質を補えばいいのでしょうか。
タンパク質の目安量
成人男性の場合は1日あたり65g、成人女性は1日50gのタンパク質が必要です。鶏むね肉100gで24.4gのタンパク質が確保できることから、すぐに目標量はクリアできそうな気がしますよね。
しかし、忙しいとコンビニ弁当やカップ麵などで食事をすませがちになるなため、意外とタンパク質が不足していることも多いのです。
タンパク質の効果を高める効率的な摂取方法5つ
タンパク質にはさまざまな効果があることを説明しました。ここからは、タンパク質の効果を高めるためのポイントを5つ紹介します。
1.3食で均等にとる
つい、朝食を欠食してしまうこともありますよね。ただ、それでは昼と夜ですべてのタンパク質を補わなくてはなりません。先ほども説明したように、忙しいと簡単な食事ですませがちのな生活をしていると、タンパク質は不足してしまいます。
そのため、まずは3食をきちんとと摂ることが大切です。3食食べれば無理なくタンパク質が確保できます。
2.ビタミンB6を含む食品を一緒にと摂る
ビタミンB6は筋肉や血液をつくる手助けをしたり、タンパク質の代謝を助けたりする働きがあります。米にもビタミンB6が含まれているので、通常の食生活をしていれば不足することはありませんが、糖質制限中は米の量も減っていますよね。
そのため、糖質制限中はビタミンB6を含む食品を意識してと摂ってみてくださいね。また、筋トレなどの運動習慣がある方は、ビタミンB6の摂取を心がけましょう。
ビタミンB6を含む食品の例:
カツオ、マグロ、サケ、豚ヒレ肉、バナナ、パプリカなど
3.ビタミンCを含む食品を一緒にと摂る
ビタミンCには筋肉量を維持する働きが期待できます。また、じん帯や軟骨などを構成するコラーゲンを合成するにも、ビタミンCは必要です。ビタミンCは普段から不足しやすいため、意識してビタミンCを含む食品をとり入れてくださいね。
ビタミンCを含む食品の例:
パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、柑橘類など
4.運動直後にと摂る
運動習慣がある方は、タンパク質を運動直後にと摂るといよいでしょう。というのも、運動後は筋肉が傷ついた状態で、だからです。筋肉を修復しようと動いているため、このタイミングでタンパク質を補給すると吸収がよくなります。
できれば、運動後45分以内にタンパク質を補給するのがベストです。
5.筋肉量を増やすなら炭水化物も必要
筋肉量を増やしたい方は、タンパク質だけを重点的にと摂っても効果が薄いのです。ある程度、炭水化物の摂取も必要になります。「炭水化物3:タンパク質1」を目安にしましょう。
というのも、運動をするときはエネルギーに変換しやすい炭水化物から消費します使っていくからです。炭水化物が不足すると、脂質やタンパク質をエネルギー源にしますが、これは筋肉中にあるタンパク質を取り崩すということ。つまり、筋肉が減ってしまうのです。
せっかく鍛えた筋肉を減らさないためにも、適度に炭水化物をと摂りましょう。
タンパク質を毎日摂取して健康維持に役立てよう
タンパク質は「筋肉を合成」「健やかな肌や髪の維持」「免疫細胞の材料」「ホルモンや神経伝達物質をつくる」といった働きをします。動物性タンパク質と植物性タンパク質それぞれに、メリット・デメリットがあるため、両方をバランスよくと摂りましょう。
また、体の細胞は毎日生まれ変わっていることから、材料となるタンパク質も毎日コンスタントにとり入れる必要があります。タンパク質は成人男性65g、成人女性50gが目安です。
そして、タンパク質の効果を高めるには「3食きちんとと摂る」「ビタミンB6・をと摂る」「ビタミンCをと摂る」「運動直後にと摂る」「炭水化物も適量と摂る」といったポイントをおさえてくださいね。
…………………………
参考:
タンパク質とは【タンパク質の種類、機能、働きなどを解説】-森永製菓株式会社
肌はタンパク質でできている!? タンパク質を意識して美肌を目指そう|COLUMN-Maison KOSÉ
タンパク質と免疫システムの関係。免疫システムを考えた栄養と食事-森永製菓株式会社
5大タンパク質の違い【動物性タンパク質、植物性タンパク質についても解説】-森永製菓株式会社
タンパク質とは?特徴や種類、体を作る働きについて-POWER PRODUCTION MAGAZINE
第134回 たんぱく質を効率よく摂るポイント ~ささみレシピ~ | 食事もトレーニング!スポーツのための食事学入門-株式会社スポーツワン
朝こそタンパク質を摂取する!意外な影響と高タンパクな朝食レシピを紹介!-森永製菓株式会社
ビタミンB6 | ビタミン | 栄養成分百科 -江崎グリコ株式会社
ビタミンB群の働き、多く含まれる食品を紹介-森永製菓株式会社
ビタミンCが不足すると筋肉が減る 不足している高齢者で筋力低下 摂取すると回復 | スローカロリーの情報ファイル- 保健指導リソースガイド