キャベツの食物繊維は少ない? 効率よく摂取するコツとは

キャベツの食物繊維は少ない? 効率よく摂取するコツとは

シャキシャキとした食感とほんのりとした甘さが魅力のキャベツ。サラダや炒め物など幅広く利用されています。カット野菜としても出回っているので、年中手に入りやすいのが特徴です。

キャベツはたくさん食べると食物繊維もたっぷりとれそうなイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。知らずになんとなく食べるだけでは、意外と食物繊維をとれていないかもしれません。

この記事では、キャベツに含まれる食物繊維の量を解説し、たくさん食べるための調理方法やコツを紹介します。キャベツの食物繊維量や調理法を知って、賢く食生活に取り入れましょう。  

 

キャベツに含まれる食物繊維の量と種類

キャベツに含まれる食物繊維の量と種類

キャベツに含まれる食物繊維は100gあたり1.8gです。コンビニの千切りキャベツは1袋が150gのものが多いので、1人が1回に食べる量は50~75g程度だと考えられます。すると、1回あたりの食物繊維摂取量は、0.9~1.4gくらいになるでしょう。

なお、同じキャベツの種類にグリーンボールやレッドキャベツがあります。グリーンボールは春キャベツと同じ時期に出回る、小型のキャベツです。柔らかい食感が特徴で、生食に向いていて、きます。食物繊維は100gあたり1.6gほど含まれます。

レッドキャベツは別名紫キャベツとも呼ばれ、その名のとおり紫色をしたキャベツです。葉が厚めで少し歯ごたえがあるのが特徴です。サラダのいろどりなどに使われることが多いですね。食物繊維は100gあたり2.8gと、キャベツ類の中ではかなり多めです。  

 

キャベツの食物繊維量をほかの野菜と比較

キャベツの食物繊維は100gあたり1.8gと説明しましたが、これだけでは多いのか少ないのかわかりづらいですよね。そこで、ほかの野菜と比較してみました。

  100gあたりの食物繊維
キャベツ 1.8g
白菜 2.2g
レタス 1.1g
小松菜 1.9g
セロリ 1.5g
ごぼう 5.7g

食物繊維を多く含むイメージがある、レタスやセロリよりも多いことが分かりますね。食物繊維トップクラスのごぼうには及びませんが、野菜の中ではやや食物繊維が多い部類に入るでしょう。  

 

キャベツに含まれる食物繊維の種類

キャベツには「水溶性食物繊維」「不溶性食物繊維」の2種類の食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維は100gあたり0.4g、不溶性食物繊維は1.4gです。

水溶性食物繊維は、文字どおり水に溶けやすい性質があります。胃腸内でドロドロの液状に変化し、ゆっくりと移動するため腹持ちがよくなるのです。また水溶性食物繊維には糖の吸収をおだやかにする働きもあるため、血糖値の急上昇を防ぎます。血糖値の上昇がおだやかになると「糖が脂肪に変換されにくい」「お腹が空くまでの時間が長くなる」といったメリットが。

不溶性食物繊維には、水に溶けにくく胃腸内で水分を吸って膨らむ性質があります。そのため、満腹感を感じやすくなるのです。また、便のかさ増しをするため、排便量や回数を増やし、腸内を掃除する働きがあります。

さらにどちらの食物繊維も善玉菌のエサになるため、腸内環境の改善に役立つのです。  

 

便秘解消目的なら注意が必要

キャベツは野菜類の中では、やや食物繊維が多い部類に入ります。こう聞くと「便秘解消効果が期待できそうだから、たくさん食べてみよう」と思う方がいるかもしれません。しかし、ひどい便秘の方が食べる場合は、少し注意が必要です。 その理由は、キャベツは不溶性食物繊維が多い野菜だから。先ほども説明したように、不溶性食物繊維は腸内で膨らんで便のかさ増しをする効果があります。しかし、便秘がひどい場合は、腸の動きが鈍くなっているケースが多く、増えた便を正常に排出できない可能性があるのです。

排出し切れなかった便が腸に残り、さらに便秘症状が悪化する可能性があるため、食べすぎには注意してください。  

 

たくさん食べるなら加熱がおすすめ

たくさん食べるなら加熱がおすすめ

食物繊維の1日あたりの必要量は、成人男性は21g、成人女性で18gです。キャベツの食物繊維は100gあたり1.8gであることを考えると、とうてい足りません。しかし、生のキャベツだけをたくさん食べるのは難しいですよね。

そんなときは、加熱調理をしてかさを減らしてみましょう。100gのキャベツを茹でると、89gまで減ります。柔らかくなるので、より食べやすくなるのもメリットです。  

 

加熱するときの注意点

加熱をすると、キャベツのかさが減って量を確保しやすくなりますが、失われる栄養素もあります。ビタミンCや葉酸などの水溶性ビタミンと、カリウムが代表的な例です。これらの栄養素は水に溶けやすく、茹で汁に流出してしまいます。キャベツはビタミンCや葉酸、カリウムを多く含むので、加熱をするときは蒸したり、炒めたりするといいでしょう。また茹でるときは、茹で汁を活かせるスープにするといいですね。

 

ビタミンCを守る調理法

ビタミンCは熱に弱い栄養素です。長く加熱するほど失われてしまうので、ビタミンCを守るには短時間で調理ができる、電子レンジをおすすめします。電子レンジの電磁波には、ビタミンを壊す作用はないので安心してくださいね。  

 

キャベツの食物繊維を効率よく摂取するレシピ4選

キャベツの食物繊維を効率よく摂取するレシピ4選

ここからは、キャベツをたくさん食べられるレシピを4つ紹介します。どれもキャベツの食物繊維やビタミン類をたくさん摂取できるものばかりですよ。  

とんぺい焼き

材料:キャベツ、卵、豚バラ肉、塩こしょう、お好みソース、マヨネーズ、青ネギ
キャベツは千切りにしておきます。(やや太くなっても大丈夫です)熱したフライパンに油を引き、豚バラ肉に火が通るまで炒めます。キャベツを加え、しんなりするまで炒めましょう。一旦ボウルに移し、フライパンはキッチンペーパーで汚れを拭き取ってください。再びフライパンに油を引き、そこに溶き卵を流し入れて半熟状態になるまで混ぜながら加熱します。そこにキャベツと豚バラ肉を乗せ、オムレツのような形に整えてください。

お皿に移したら、上からお好みソース、マヨネーズ、小口切りにした青ネギをトッピングして完成です。もやしや天かすをプラスすると、よりおいしくいただけます。

 

キャベツサンド

材料:食パン、キャベツ、塩こしょう、マヨネーズ、チーズ、ハムなど好みの材料
キャベツは千切りにしておきます。ボウルにキャベツを入れて、塩こしょうとマヨネーズで和えてください。食パンは半分の薄さにスライスし、内側にマヨネーズを塗っておきましょう。マヨネーズを塗った面にチーズとハムを乗せ、その上からキャベツをたっぷり乗せてください。もう1枚の食パンを上から乗せ、手でしっかり押さえましょう。少し落ち着いたら半分にカットして完成です。

キャベツを加熱しないので、ビタミン類やミネラルを損なわず食べられます。ホットサンドにしてもおいしいですよ。  

 

キャベツとアサリのレンジ蒸し

材料:キャベツ、アサリ、白ワイン、にんにく、オリーブオイル
アサリは砂を吐かせておきます。キャベツはざく切りにし、にんにくはみじん切りにしておきましょう。耐熱皿にキャベツ、アサリ、にんにくを乗せ、上から白ワインとオリーブオイルをかけます。電子レンジで5~6分加熱し、アサリの口があいたら完成です。

柔らかい春キャベツで作るのもおすすめです。塩気が足りなければ、塩を少々追加してください。  

 

キャベツ入りつくね

材料:鶏ひき肉、キャベツ、卵、おろししょうが、片栗粉、塩こしょう、醤油、酒、砂糖、好みで卵黄
キャベツはみじん切りにしておきます。ボウルに鶏ひき肉と塩こしょうを入れて、粘りが出るまでよく混ぜましょう。そこにキャベツ、卵、片栗粉、おろししょうがを加えて、全体がなじむまで混ぜます。熱したフライパンに油を引き、小判型に丸めたタネを落として焼いてください。両面が焼けたら、醬油、酒、砂糖を加えて全体にからませるように煮詰めましょう。器に盛り付け、好みで卵黄をつけながら食べてください。

シャキシャキとした食感のキャベツがアクセントになり、飽きずに食べられます。  

 

キャベツを上手に調理して食物繊維をたくさんとろう

キャベツは100gあたり1.8gの食物繊維が含まれています。野菜の中ではやや多い部類に入りますが、生食では量がと摂りづらく、たっぷり食物繊維を確保できるとはいえません。食物繊維をたくさんと摂りたいのであれば、加熱してかさを減らすのもおすすめです。

ただし、長時間茹でたり加熱したりすると、ビタミンやミネラルが失われてしまいます。キャベツを加熱料理するときは、サッと加熱したり、電子レンジを利用したりしましょう。

おいしく賢くキャベツを調理して、食物繊維を取り入れてくださいね。  

 

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参考:

  食品成分データベース-文部科学省 オムニ7 – セブン-イレブンのお届けサービス セブンミール-セブンプレミアム 千切りキャベツ 1袋 配達 千切りキャベツ-ローソン公式サイト 日本人の食事摂取基準(2020 年版)の概要 P12 重量変化率|日本食品成分表示表-文部科学省 キャベツって栄養はあるの?気になるカロリーや糖質量を管理栄養士が解説 – macaroni 電子レンジで加熱調理すると、電子レンジの電磁波がビタミンなどの栄養素を破壊すると聞きましたが、本当ですか。【食品安全FAQ】- 東京都福祉保健局