甘くて柔らかく、誰にでも好まれるバナナ。コンビニなどでも手に入れられるため、気軽に食べられるのもメリットです。しかし、甘いということは糖質が多いということ。糖質制限中ダイエット中であれば、避けるべきなのではと思いますよね。
この記事では、バナナの糖質量を解説し、本当に糖質制限中は食べてはいけないのか、調査してみました。さらに、バナナの栄養素や食べるときの注意点も解説しています。最後まで読めば、バナナに対する見方が変わるかもしれませんよ。
バナナの糖質量は多め
バナナは皮をむいた状態だと100g程度になります。バナナは100gで93kcal、糖質は21.4gです。これだけでは糖質は多いのか少ないのかわかりづらいですよね。
バナナとほかの果物を比較
バナナとほかの果物のカロリーと糖質量を比べてみました。
100gあたりのカロリー | 100gあたりの糖質 | |
バナナ | 93kcal | 21.4g |
りんご | 56kcal | 14.3g |
みかん | 49kcal | 11.2g |
キウイフルーツ | 51kcal | 10.8g |
いちご | 31kcal | 7.1g |
ぶどう | 58kcal | 15.2g |
果物の中では、カロリー、糖質ともに多い部類に入ることがわかりますね。なぜバナナだけ突出してカロリーや糖質が多いのでしょうか。
バナナの水分量はほかの果物より少なく、100gあたり75.4gとなっています。みかんの場合、水分量は100gあたり86.9g、この中では最もカロリー、糖質ともに少ないいちごは水分量が100gあたり90.0gです。
つまり、果物は水分が多ければ多いほど、カロリーや糖質が少なくなる傾向にあるといえます。
バナナと糖質が多い食べ物を比較
果物の中ではカロリー、糖質ともに多いことがわかりましたが、ほかの糖質が多い食べ物と比べるとどうでしょうか。
100gあたりのカロリー | 100gあたりの糖質 | |
バナナ | 93kcal | 21.4g |
白米 | 156kcal | 36.8g |
食パン | 248kcal | 44.1g |
うどん(ゆで) | 95kcal | 21.6g |
パスタ | 150kcal | 30.5g |
糖質が多いとされる食品の中では、バナナの糖質は少ない部類に該当しました。最も糖質が多い食パンの半分程度ということもあり、これら糖質が多い食品の代わりに、バナナを利用するのもいいでしょう。
バナナのGI値は?
バナナは果物の中では糖質が多めですが、糖質が多い主食類の中では少なめだとわかりました。では、バナナのGI値はどうなのでしょうか。GI値とは、食品を食べたときに血糖値をどれだけ上昇させるかを数値化したものです。GI値が70以上で高GI食品、69~56は中GI食品、55以下は低GI食品と分類されます。
バナナのGI値は47であるため、低GI食品です。たしかに糖質は多めですが「食物繊維が含まれている」「吸収がゆるやかなショ糖やでんぷんが含まれている」の2点により、血糖値が上がりにくくなっています。
バナナに含まれるうれしい栄養素
バナナのGI値はあまり高くなくても、やはり糖質の量が気になる方もいるでしょう。しかし、糖質だけを気にしてバナナを食べないのはもったいないかもしれません。ここでは、バナナに含まれる栄養素の話をします。
ビタミンB群
バナナには三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)を代謝するビタミンB群が含まれています。その中でも特にビタミンB6を多く含むのが特徴。ビタミンB6は主にタンパク質の代謝に関係しています。バナナに含まれるビタミンB6は100gあたり0.38mgです。1日の推奨量は成人男性が1.4mg、成人女性は1.1mgなので、約1/3を確保できます。
糖質制限中は炭水化物からエネルギー量を確保できない代わりに、タンパク質などからエネルギー補給をしなくてはなりません。糖質制限中はタンパク質の摂取量が多くなりがちなので、ビタミンB6をしっかりと補給しましょう。
食物繊維
バナナに含まれる食物繊維は、100gあたり1.1g。水溶性食物繊維を0.1g、不溶性食物繊維を1.0g含みます。
水溶性食物繊維には「血糖値の急上昇を防ぐ」「善玉菌のエサになる」といった特徴があります。一方不溶性食物繊維は「便のかさを増して排便量や回数を増やす」「水を吸って膨らみ満腹感をサポートする」といった働きが。
食物繊維の推奨量は成人男性1日あたり21g、成人女性は18g以上と定められていますが、男女ともに不足がちな傾向にあります。なお、食物繊維1.1gはレタス100g(1/3玉)を食べたときと同等です。レタスを1/3玉も食べるのは大変ですが、バナナなら簡単に食べられるのもメリット。おいしくバナナを食べて、賢く食物繊維を摂取しましょう。
カリウム
バナナ100gあたりに含まれるカリウムは、360mgです。カリウムには、体内の余計な塩分を排出する働きがあります。現代の日本人は食塩過多な生活を送っているため、カリウムをしっかりととる必要があります。
カリウムの目標量は成人男性3000mg、成人女性2600mgであるため、バナナ1本で1日の1/8~1/7が確保できます。塩分が多い食事をしていると感じたら、バナナを1本足してみましょう。
マグネシウム
バナナ100gあたりのマグネシウムは、32mgです。マグネシウムは体温の調整や、酵素の活性化、骨の形成などさまざまな面で活躍しています。バナナを食べることで、手軽にマグネシウムが補給できるのはうれしいですね。
ポリフェノール
バナナはポリフェノールを多く含むのも特徴です。ポリフェノールには抗酸化作用があり、細胞の老化やがん細胞の抑制などが期待できます。
シュガースポットがあらわれた完熟のバナナほど、ポリフェノールが多く含まれているのが特徴です。抗酸化作用を期待するなら完熟バナナを選んでみましょう。
GABA
GABAはアミノ酸の一種で、血圧上昇を抑える効果が期待できます。1~3本食べると1日の必要量のうち約50%を摂取できるため、積極的に食べたいですね。
糖質制限中のバナナは4つのポイントに注意
バナナには体にうれしい栄養素が含まれていることがわかりました。たくさん食べるほど健康によさそうな気はしますが、糖質制限中は何点か注意したいポイントがあります。
1.適正量を守る
いくら体によくても、適正量を守りましょう。やはりバナナは糖質が多い食品であることから、糖質制限中はバナナを1日1本程度にとどめるのがおすすめです。また、バナナを食べるのであれば、糖質が多い食品を減らすか置き換えてくださいね。
2.食べるタイミングは朝か運動前後
バナナを食べるおすすめのタイミングは、朝です。朝は糖分が不足している状態なので、何も食べないままでは脳が目覚めません。この状態では、仕事や勉強がはかどらないことも考えられます。バナナに含まれる糖分には長時間、体にエネルギーを補給し続ける特徴があるため、朝に食べれば昼前までエネルギーが持続するのです。
運動習慣がある方は運動前後にバナナを食べるのもおすすめ。運動前にバナナを食べれば、エネルギーが長時間持続するのでバテにくいのです。また運動後にバナナで糖分を補給することで、リカバリーが早くなります。
3.食物繊維が多い食べ物と組み合わせると◎
バナナは血糖値を上げにくい果物ですが、食物繊維を多く含む食品と組み合わせると、さらに血糖値が上がりにくくなります。
おすすめは、オートミールと組み合わせること。オートミールは食物繊維が豊富ですが、甘みが足りないので食べにくく感じることもあります。バナナは糖度が高いので、オートミールと合わせるとおいしく食べられるでしょう。
4.シュガースポットがあらわれた完熟状態がおすすめ
バナナには消化を助ける酵素「アミラーゼ」が含まれるのが特徴です。年齢を重ねるとともに消化吸収能力は低下していくため、バナナに含まれるアミラーゼを上手に利用しましょう。
なおアミラーゼは青いバナナより、シュガースポットがあらわれた完熟バナナに多く含まれます。熟していくと、バナナの糖は自身のアミラーゼで分解されるため、おのずとアミラーゼの量が増えていくのです。
糖質が多いバナナは注意点を守ればダイエット中でもOK
バナナは果物の中では糖質が多いのですが、白米やパンよりは糖質が少なめです。糖質制限中は主食をバナナに置き換えるといいでしょう。バナナには食物繊維やビタミンB群、カリウム、マグネシウム、ポリフェノール、GABAなど体にうれしい栄養素がたっぷり含まれます。
ただし、いくら体にいい果物だといっても、食べすぎは糖質オーバーの原因に。1日1本を目安にしましょう。朝や運動前後に食べたり、食物繊維を多く含む食品と一緒に食べたりするのもおすすめです。
適量を守れば糖質制限中でもバナナを食べられます。ぜひバナナを食生活に取り入れて、健康維持に役立ててくださいね。
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参考:
【管理栄養士が解説】バナナは糖質が多いから太る?おすすめの取り入れ方とは – トクバイニュース
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