季節を問わずいつでも購入できるキャベツはさまざまな料理に利用できますが、糖質やカロリーは本当に少ないのでしょうか?
今回はキャベツの糖質やカロリー、栄養素と糖質を抑えたレシピを紹介します。キャベツは食べ方次第で糖質制限ダイエットにもぴったりの食材です。記事を参考にしておいしい食事でダイエットを成功させましょう。
キャベツについてミニ知識
一般的にキャベツと呼ばれるものは冬キャベツ(寒玉)ですが、キャベツの種類は他にもあります。ここではキャベツの種類や歴史、選び方を説明します。
キャベツの種類
・春キャベツ
冬に出るキャベツを改良した冬キャベツより柔らかい生食向き。3~5月が旬ですが6月ごろまで市場に出ています。
・夏秋キャベツ
別名高原キャベツと呼ばれ、嬬恋(つまごい)高原で作られています。もともとキャベツの旬は春と冬だったので、夏にもキャベツを出荷しようと高原で作りはじめました。嬬恋高原のキャベツは夏の出荷量の半分を占めています。
・サボイキャベツ
フランスのサボイ地方で生産されてきたのでこう呼ばれていますが、実はイタリアのロンバルディアが起源。日本ではちりめんキャベツとも呼ばれています。
・レッドキャベツ
紫キャベツとも呼ばれ、酢をかけると鮮やかな赤になるためサラダなどに利用されます。
・芽キャベツ
一口サイズの小さなキャベツで、一玉丸ごと食べるタイプです。ベルギーが原産でシチューなどに利用します。
キャベツは地中海で何千年も食べられていた野菜
キャベツはヤセイカンランと呼ばれる野草から派生したといわれています。ヤセイカンランから生まれた野菜はキャベツのほかに、ブロッコリーやカリフラワー、ケールなどがあります。さまざまな野菜のDNAサンプルから、原産は地中海だとわかりました。
何千年も昔からキャベツは食されていましたが、紀元前後まではボール状になっていない葉キャベツでした。今のようにボール状になった結球キャベツは紀元の初めごろにイタリアで作り始めたそうです。
日本に結球型のキャベツが伝来したのは19世紀半ばでしたが、生で野菜を食べる習慣がなくあまり普及しませんでした。しかし明治に入って銀座の洋食店・煉瓦亭でカツレツにキャベツの千切りを添えたところ評判となりで、以来とんかつの普及でキャベツの千切りが定番となりました。
今では千切りキャベツだけではなく、お好み焼きや焼きそば、ラーメンなどにも利用され、2019年の国内出荷量は132万5,000トンにもおよびます。
キャベツの選び方を知っておこう!
キャベツは1玉購入すると長期にわたって利用することになるため、選び方が大切です。
・外葉の状態で鮮度がわかります。鮮やかな緑色を選びましょう。
・芯の切り口が乾燥していないフレッシュなもの
・春キャベツやサボイキャベツは葉の巻き方がふんわりしているもの
・冬キャベツは持った時にずっしりと重く、巻きが固いもの
キャベツの糖質量やそのほかの栄養素
ここでは一般的に食べられている冬キャベツを中心に説明します。ちなみにキャベツの葉1枚の重さが50g程度です。
糖質量とカロリーは?
冬キャベツで糖質量は100gあたり3.4gでカロリーは21kcalです。レタスの11kcalと比較すると若干高めですが一般的な食品としては低めです。
食品名 | 糖質量(g) | カロリー(kcal) |
キャベツ | 3.4 | 21 |
レッドキャベツ | 3.9 | 30 |
芽キャベツ | 4.4 | 52 |
豊富なビタミン
キャベツはビタミンCが豊富で、葉1枚あたりに約20mg含まれています。この量はみかん1個とほぼ同様の量です。ただし、ビタミンCは熱に弱いので、茹でると量が半減します。
食物繊維もたっぷり
食物繊維は100gあたり1.8gでキャベツの葉1枚あたり0.9gも含まれています。レタスは100gあたり1.1gですからもキャベツの食物繊維が多いことがわかるでしょう。また1.8gのうち1.4gは不溶性食物繊維なので、茹でても失われる心配がありません。
日本人が目標とする食物繊維の摂取量が1日男性21g以上、女性18g以上ですから積極的に摂取したいですね。
珍しいビタミンUも
キャベツにはビタミンUというあまり聞きなれないビタミンが含まれています。ビタミンUはキャベジンとも呼ばれる成分で、胃腸の粘膜に働きかけるともいわれています。
キャベツを食べる際に注意したいこと
キャベツは糖質が少なく低カロリーで太る心配がないため、ダイエットにぴったりの食品です。しかし、調理の方法や食べ方でカロリーがアップしてしまうことも。ここではキャベツで健康なダイエットをするために注意したいことを説明します。
タンパク質をプラス
キャベツだけを食べると糖質が制限されてダイエットができますが、タンパク質が不足してしまいます。タンパク質が多い肉類や大豆などで補給していきましょう。
加熱時間を短く
ビタミンUやビタミンCは水溶性で熱にも弱いので生で食べるのがおすすめです。サラダや付け合わせの千切りキャベツ、作り置きができる酢漬け、ジュースなどがおすすめです。 加熱するなら加熱時間をできるだけ短くしましょう。また、スープごと食べられる料理なら水に溶けた栄養分も一緒に食べられます。
油の使い過ぎに注意
キャベツというと炒め物もおいしいのですが、油を使うとカロリーが高くなって太る原因に。またサラダの場合もドレッシングの油やマヨネーズの使いすぎに気をつけましょう。マヨネーズは大さじ一杯(15g)で約100kcalです。
キャベツの糖質制限にぴったりの食べ方
キャベツといえばお好み焼きなど糖質とぴったりですが、糖質がオーバーしてしまいます。ここでは糖質制限中にも安心なレシピを紹介しますので参考にしてください。
ロールキャベツ
普段作っているロールキャベツも工夫次第で糖質を抑え、低カロリーメニューにすることが可能です。
ロールキャベツを作るときは、ひき肉に注意してください。市販のひき肉には脂肪分がたっぷり含まれているので、赤身肉を細かく切って利用します。また肉の半分をおからやおからパウダー、豆腐を潰したものなどで代用するとカロリーを抑えられるのでおすすめです。
さっと茹でたキャベツにひき肉で作った中身を包んでスープで煮ます。普段利用しているレシピの中身だけ変更して作ります。
キャベツの鳥の巣卵
このレシピはもう1品つけたいなというときにも便利な簡単レシピです。昭和大学が提供する健康レシピで紹介されています。
千切りにしたキャベツに卵を割り入れて電子レンジで温めるだけです。一皿98kcalと低カロリーでダイエット時にぜひ試してください。
電子レンジで温める簡単料理ですが、そのままですと破裂することがあります。黄身に2〜3箇所、小さい穴を開けてから温めると破裂しにくいですよ。
九州まーめんで作る焼きそば
キャベツといえば焼きそばですが、普通の焼きそばは糖質が多いのでダイエット中は禁句です。
しかし九州産大豆を100%使った「九州まーめん」を使えば、焼きそばが糖質控えめで作れます。「九州まーめん」は1玉あたり糖質量5.1g、タンパク質14.9gです。ダイエット中に不足しがちなタンパク質も摂取できます。
【材料 1人分】
・九州まーめん 1玉
・キャベツ 1〜2枚
・にんじん 1/4本
・玉ねぎ 1/4個
・豚バラ肉 50g
・焼きそばソース 大さじ3
・塩、こしょう、サラダ油 適量
<お好みで>
・青のり 少々
・紅しょうが 少々
・かつおぶし 少々
【作り方】
1.九州まーめんを茹でる
2.野菜と肉を炒める
3.麺と焼きそばソースを絡め、水分を飛ばす
詳しい作り方はここちらの記事をを参考にしてみてくださいね。
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キャベツは糖質が少なくダイエットの味方
キャベツは糖質が少なめでビタミンCが豊富な野菜です。食物繊維も豊富なので積極的に摂取したいですね。1年中出回っており、比較的保存もしやすいので冷蔵庫に常備しておきましょう。
九州まーめんと組み合わせればダイエット中には我慢しなくてはいけない焼きそばもOKです。楽しい食事でダイエットを成功しましょう。
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参考:
『白菜やキャベツのルーツはどこ? アブラナ属の謎をDNAで解明』-National Geographic
『キャベツの歴史(れきし)と輸入量(ゆにゅうりょう)についておしえてください。』-農林水産省