糖質ゼロとは? 健康的なダイエットのための基礎知識と糖質控えめレシピも紹介

糖質ゼロとは? 健康的なダイエットのための基礎知識と糖質控えめレシピも紹介

ダイエット中の人の心に刺さる「糖質ゼロ」の文字。スーパーやコンビでインパクトあるポップよりも、素敵な商品説明よりも、目を留めてしまうことでお馴染みのキーワードです。

タンパク質、脂質と並んで三大栄養素のひとつに挙げられることは、なんとなく知っているけど、糖質はどんな役割があるの?」「 炭水化物との違いは?なんて聞かれると細かいところまではよくわからない、という方もいらっしゃるのでは? 

糖質の基礎知識や、糖類との違い、ダイエットに欠かせない一日の摂取目安を解説します。おいしく満足感を得ながら糖質控えめな料理も紹介しましょう。

 

糖質ゼロの基本! そもそも糖質とは

糖質ゼロの基本! そもそも糖質とは

「0(ゼロ)」という魅惑の数字が抜群のインパクトを持つ糖質ゼロ。「カロリーが低い」「ダイエットにいい」という漠然としたイメージを持ってはいても、実は糖質ゼロがどのようなものかご存じないという方も多くいらっしゃるでしょう。

そもそも糖質とはどのようなもので、糖質に似た言葉の糖類とはどのような違いがあるのかについて紹介します。

 

炭水化物の一部の糖質

「糖質ゼロ」を知る前にまずは、糖質という栄養素がそもそもヒトにとってどのような働きをするのかを理解しましょう。

糖質はエネルギー源となる炭水化物の一部。糖質と食物繊維から構成される炭水化物は、タンパク質や脂質とともに三大栄養素のひとつで「エネルギー産生栄養素」とも呼ばれ、ヒトの日々の活動に欠かせない大事な役割があります。

 

糖質と糖類の違い

糖質は炭水化物の一部で、大事な栄養源ですが、糖質と似た言葉に「糖類」がありますよね。違いにはどのようなものがあるのでしょうか。

簡単にいえば糖類は糖質の一部。糖質は大きく「糖類」「多糖類」「糖アルコール」に分類できます。ブドウ糖や果糖の「単糖類」とショ糖や麦芽糖などの「二糖類」が「糖類」に分類され、デンプンや、オリゴ糖などが含まれるのが「多糖類」、ガムなどでお馴染みのキシリトールなどの「糖アルコール」になります。

 

そもそも糖質ゼロとは

そもそも糖質ゼロとは

ダイエット時に心を揺さぶられるワードのひとつ、「糖質ゼロ」。そもそも糖質ゼロとはどのような状態なのでしょうか。

どのような状態であれば「ゼロ」と表記できて、どのような違いがあるのかを確認しましょう。

 

糖質ゼロは100g当たりで0.5g未満の糖質

そもそも「糖質ゼロ」とは、食品表示基準に定められた食品が表記できる記載方法です。糖質自体が完全に「0」というわけではなく、食品100g当たり(飲料については100ml当たり)に含まれる糖質が0.5g未満であれば、「糖質ゼロ」とうたうことができると定められています。

食品表示の基準には「検出限界値」という考えがあり、実際に少量の糖質と糖類を含んでいても、「ゼロ」と表記することが許されている、というものです。

出典:消費者庁『食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン』

 

糖質ゼロと糖類ゼロにはどのような違いがある?

糖質ゼロはあくまでも食品表示の基準として消費者庁が定めているガイドラインに則った表示方法ですが、それでは糖質ゼロと糖類ゼロにはどのような違いがあるのでしょうか。

糖類は単糖類と二糖類のことを指しています。単純に糖類がゼロだから甘くないというわけではなく、「糖類ゼロ」の場合は糖類に含まれない多糖類のオリゴ糖や、糖アルコールのキシリトールが含まれている場合もあります。

糖質ゼロは多糖類や糖アルコールに分類される糖類も含まれていない(厳密には100g中0.5g以内)という違いがあります。

 

糖質ゼロのダイエットは健康的?

糖質ゼロのダイエットは健康的?

低糖質ダイエットがもてはやされている中で、糖質はまるで悪者のよう。そのため「糖質ゼロ」はとても魅力的な言葉です。

しかし、糖質は身体の主要なエネルギー源です。完全に排除してまうと、活力が減退したり、疲労が蓄積したりするだけでなく、メンタルの機能も低下してしまいます。

ダイエット時に正しく糖質を抑えるために、なぜ糖質を摂り過ぎると太るのか、糖質が不足することで起こることとはなにかを説明します。一日に必要な糖質の摂取量も正しく理解しましょう。

 

糖質を摂り過ぎで太る理由

そもそも、なぜ糖質を摂り過ぎると太ってしまうのでしょうか。まず糖質を摂り過ぎると食後に血糖値が急激に上がります。すると、身体の中でインスリンが大量に分泌。インスリンは血糖値を下げる役割があるのですが、同時にエネルギーとして利用されなかった分の糖質が分解されてできたブドウ糖を中性脂肪などにして体に蓄えます。

多くの糖質を摂取して血糖値が上がる→インスリンが分泌→余分な糖質(ブドウ糖)を中性脂肪にして身体に蓄える、という流れが「糖質の取り過ぎは太ってしまう」という根拠になっています。

 

糖質不足も注意が必要

糖質を必要以上に摂取し、さらに血糖値が上昇すると脂肪として身体に蓄えられるのは事実ですが、逆に必要な分を摂取できないとどのようなことが起こるのでしょうか。

糖質が不足することで、疲れやすくなってしまったり、集中力が続かなくなってしまったりすることがあります。ちょっと疲れたな、ぐらいならまだしも、糖質が不足しブドウ糖が足りなくなると「低血糖」という状態に。

軽症であれば空腹感や悪寒程度で済みますが、悪化すると震えや動悸、めまい、最悪の場合、意識障害になる怖れもあります。

極度の糖質制限は非常に危険です。

 

糖質の一日の摂取量の目安

糖質の摂取量はどれくらいを目安としたらいいでしょうか。炭水化物、タンパク質、脂質といったエネルギーを生産する栄養素の構成成分が占める割合を「エネルギー産生栄養バランス」といいます。

このエネルギー産生栄養バランスについて、厚生労働省は糖質の摂取量を1日のエネルギー総量の50〜65%が目安として定めています。1日のエネルギー総量の目安は成人女性の場合は1,400〜2,000kcal、成人男性の場合は2,000〜2,400kcalほど。つまり、成人女性は700~1,000kcal、成人男性は1,000~1,400kcal程度が糖質摂取の目安になります

糖質は1gで約4kcalのエネルギー生産量になりますので、成人女性で700kcal摂取する場合175g、成人男性で1,000kcalの場合250gが糖質の一日の摂取量の目安になります。

紹介した目安となる摂取量は体重、年齢、運動量によって幅があります。

 

レベルⅠ:生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合

レベルⅡ:座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合

レベルⅢ:移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

 

どれくらいが目安のエネルギー量になるかは、こちらのサイトで調べることができます。

日本医師会『一日に必要なカロリー「推定エネルギー必要量」』

 

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

出典:農林水産省『一日に必要なエネルギー量と摂取の目安』

 

糖質ゼロ&糖質控えめの食材を使ったおすすめレシピ

糖質ゼロ&糖質控えめの食材を使ったおすすめレシピ

糖質0の食品をうまく活用できると、糖質制限ダイエットも無理なく続けることができます。さらに、おいしく食べることができれば、もはやダイエットに苦痛は感じないはず!

人気の糖質ゼロ麺やおから、糖質が控えめの大豆麺を使った料理を紹介しましょう。

 

レシピ1:糖質ゼロ麺のフォー

おからパウダーやこんにゃく粉から作られる糖質ゼロの低カロリー麺。糖質が控えめであることはもちろん、食物繊維が豊富であることも見逃せません。

糖質ゼロ麺をつかったおすすめ料理は、低脂質で人気のサラダチキンと合わせたフォー。紫玉ねぎの薄切りとナンプラー、なんといってもフォーといえばパクチー! 味付けを本格的にすることでヘルシーながら満足度が抜群に仕上がります。

 

レシピ2:糖質ゼロおからパウダーでポテト風サラダ

子どもから大人まで、その人気で副菜のアイドル的存在、ポテサラ。おからパウダーを使うことで高カロリーの代名詞だったポテサラが低糖質&低カロリーに仕上がります。しかも、ジャガイモを茹でて潰すという手間も省けてお手軽です。

おからパウダーと水を合わせてベースが完成したら、あとはポテサラを作る要領でOK。おからパウダーは淡泊な味になるので、パンチの効いたスパイス、例えば宮崎県でお馴染みのマキシマムなどを用いるといいでしょう。

 

レシピ3:糖質控えめ大豆麺「九州まーめん」でカルボナーラ

ベーコンと卵とチーズに黒胡椒という組み合わせの妙から生まれる味もさることながら、ボリューム感もあり「しっかり食べられるパスタ」の代表格、カルボナーラ。

麺を糖質控えめの大豆麺「九州まーめん」に変えるだけで、糖質をグッと抑えることができます。

くわしいレシピはこちらをご覧ください

[irp posts=”2078″ name=”【大豆麺レシピ】簡単ヘルシー! カルボナーラまーめん”]

▼【糖質5.1g】大豆100%の麺
九州まーめんはこちら!

 

糖質ゼロ食材を上手に取り入れて健康的にダイエットしよう

糖質ゼロはあくまでも食品表示で「ゼロ」とうたっても問題ありません、というほど微量な糖質しかない食材。ゼロではないものの、低糖質ダイエットには強力な味方として存在を発揮するに違いありません。

低糖質ダイエットでなによりも重要なのは、一日の摂取量を決めて、3食でバランスよく適切な量の糖質を摂取すること。完全な糖質オフは絶対にやめましょう。

糖質ゼロ食材を上手に料理に取り入れて、一日のバランスをうまくコントロールし、ダイエットを健康的に成功へ導きましょう。

 

   

…………………………

参考:

『糖質と糖類って、何が違うの?』-カンロ株式会社

『糖質ゼロと糖類ゼロの違いとは?気になる食品表示の違いを徹底解説!』-株式会社ロッテ

『栄養士が解説! 「糖質ゼロダイエット」のまとめ』-株式会社ハースト婦人画報社

『糖質、糖類、糖分の違いは?太る理由や健康的な食べ方などを解説!』-株式会社ロッテ

栄養の基礎知識』-株式会社大塚製薬工場

『食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン』-消費者庁(引用)

『一日に必要なカロリー「推定エネルギー必要量」』-日本医師会(引用)

日本人の食事摂取基準(2020年版)』-厚生労働省(引用)

『一日に必要なエネルギー量と摂取の目安』-農林水産省(引用)