「りんごダイエット」なるダイエット方法があるくらいなので、りんごはダイエット向きの果物というイメージがありませんか?しかし、りんごは果物なので糖質が多めです。糖質制限ダイエット中には食べられない、と諦めてしまう方もいるかもしれませんね。
たしかにりんごは糖質が多めですが、あるポイントに気を付ければ糖質制限中でも食べられるのです。今回はりんごの糖質とカロリーを解説するとともに、なぜりんごを食べてもOKなのか、どんなポイントに気を付けるべきなのかを紹介します。
砂糖を使わない美味しいりんごのレシピも紹介しているので、最後までチェックしてくださいね。
りんごの糖質とカロリーは?
りんご100gの糖質は、皮つきの場合14.1g、皮なしの場合は13.8gです。りんご1個は約300g(中くらいのサイズ)なので、皮つき42.9g、皮なし42.3gになります。
続いて、カロリーを調べてみました。100gの場合は皮つきが56kcal、皮なしは53kcalです。1個あたりの場合だと、皮つきは168kcalで、皮なしは159kcalとなります。
これだけだと、りんごの糖質やカロリーは多いのかどうなのか分かりづらいですよね。次で、代表的な果物と比較してみます。
ほかの果物と比較
りんごとほかの代表的な果物の糖質・カロリーを比較してみました。(※ここでのりんごは、皮つきのものを採用しています)
100gあたりの糖質 | |
りんご | 14.3g |
みかん | 11.0g |
ぶどう | 15.2g |
いちご | 7.1g |
バナナ | 21.4g |
キウイフルーツ | 10.8g |
りんごの糖質量はやや多い印象を受けますね。バナナほど多くありませんが、中間値といったところでしょうか。
100gあたりのカロリー | |
りんご | 56kcal |
みかん | 49kcal |
ぶどう | 58kcal |
いちご | 31kcal |
バナナ | 93kcal |
キウイフルーツ | 51kcal |
カロリーは果物の中では平均的です。
これらの数値だけを見ると「りんごは糖質が多いから糖質制限中は避けるべきでは?」と思うかもしれませんね。しかし砂糖をたっぷり使用しているお菓子と違い、果物は血糖値を上げにくいという特徴があります。糖質制限中は一般的なお菓子を食べるよりも、りんごを食べるほうがおすすめです。
ビタミンやミネラルといった栄養価も期待できるので、健康維持にも役立ちますよ。
りんごを糖質制限中に食べてもいい理由
りんごは糖質がやや多めだとわかりましたが、それでも糖質制限中に食べていいのはなぜでしょうか。理由を詳しく説明しますね。
食物繊維が多い
りんごは食物繊維が多い果物です。
100gあたりの食物繊維 | |
りんご | 1.9g |
みかん | 1.0g |
ぶどう | 0.5g |
いちご | 1.4g |
バナナ | 1.1g |
キウイフルーツ | 2.6g |
皮つきのりんごの場合、100gあたり1.9g(水溶性食物繊維0.5g、不溶性食物繊維1.4g)の食物繊維を含みます。これは果物の中でトップクラスの食物繊維量です。
水溶性食物繊維は糖の吸収をおだやかにし、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあります。善玉菌のエサになり、腸内環境を整える手助けをするのも特徴です。不溶性食物繊維は便の量を増やし、腸内の老廃物を掃除する役割があります。
食物繊維が多い、つまり血糖値が上がりにくいことから、糖質制限中でも食べていい果物といえるのです。
GI値が低め
食品がどれだけ血糖値を上げやすいかを数値化した「GI値」。りんごのGI値は40となっています。ちなみにGI値70以上が高GI食品、69~56が中GI食品、55以下は低GI食品と分類されるため、りんごは低GI食品です。
果物の中では糖質が多めでも、血糖値を上げにくいことから糖質制限中でも安心して食べられますね。
嚙み応えがある
りんごはシャキシャキとした食感が魅力の果物です。嚙み応えがあるので、少ない量でも満腹中枢を刺激しやすくなります。
りんごをダイエット中に食べるときの注意点4つ
りんごは食物繊維が多く、低GI食品、さらに満腹中枢を刺激しやすい果物であることから、糖質制限中でも食べられると説明してきました。
しかし、守ってほしい注意点が4つほどあるので紹介します。
1.皮ごと食べる
りんごの食物繊維の多くは、皮に含まれています。データ上でも、皮つきの食物繊維は1.9gに対し、皮なしは1.4gと減っているのです。
食物繊維が少ないと血糖値を上げやすくなってしまうので、糖質制限中は皮ごとりんごを食べるようにしましょう。皮の食感が気になる場合は、すりおろしたり細かく刻んだりすると、食べやすくなりますよ。
皮なしのほうが糖質が少ないのに皮つきがおすすめ?
りんごは皮なしのほうが糖質は少なくなります。しかしそれに伴って、食物繊維の量も少なくなるのです。 若干の差であれば、血糖値を上げにくい皮つきりんごをおすすめします。
2.砂糖を加えない
りんごはお菓子作りにも役立ちます。アップルパイやりんごケーキなど、さまざまなお菓子に加工して楽しめますよね。しかし、糖質制限中は砂糖を使ったお菓子は避けましょう。りんご自体は血糖値を上げにくくても、砂糖を加えると意味がなくなります。
りんごそのものにも強い甘みが含まれているので、素材の味を楽しんでください。
3.食べるなら朝かおやつ
りんごを食べるなら、朝かおやつのタイミングをおすすめします。まず、朝は胃がからっぽの状態です。りんごに含まれる果糖(フルクトース)は、すばやくエネルギーに変わるので、エネルギーが不足している朝にピッタリ。
また、おやつにりんごを食べると、食物繊維の効果で腹持ちがよくなります。夕食まで時間が空いてしまい、ついお菓子をつまんでしまう方には特にりんごがおすすめです。
食物繊維だけでなく、ビタミン類も摂取できるので、美容効果や健康維持にもつながりますよ。
4.りんご1食の適量とは
りんごを糖質制限中に食べるときは、適量を守らなければなりません。果物は血糖値を上げにくいのですが、りんごをはじめとする果物に含まれている果糖は、食べすぎると肝臓で中性脂肪に変わりやすいからです。そのまま体に蓄積されると、糖代謝異常や肥満の原因にもつながる可能性があります。
糖質制限中は、りんご100gつまり1/3~1/4個程度が1食あたりの適量です。多くても1日1/2個程度にしておきましょう。おいしいとつい食べすぎてしまいますが、食べすぎには注意してくださいね。
糖質制限中にピッタリのりんごレシピ3選
糖質制限中でも甘いものが食べたいときもあるでしょう。ここでは砂糖を使わず、りんごの甘みを活かした糖質オフレシピを3つ紹介します。
焼きりんごクリームチーズ添え
材料:りんご、バター、クリームチーズ、(好みで)シナモンパウダー
りんごを半分に切り、芯の部分をスプーンでくり抜きます。その部分にバターを乗せ、オーブンで20~30分じっくり焼きましょう。焼きあがったらクリームチーズを乗せ、好みでシナモンパウダーをかけて完成です。
バターとクリームチーズのおかげで、砂糖がなくても満足感が得られるレシピです。少量のラム酒をかけると、少し大人味に仕上がります。
りんごのオートミール粥
材料:りんご、オートミール、牛乳(または無調整豆乳)、水、シナモンパウダー
りんごは皮つきのまま、角切りにします。耐熱皿に入れ、ラップをかけたら5分くらい加熱しておきましょう。その間に、鍋の中にオートミールと牛乳(または無調整豆乳)、水を入れて好みの柔らかさになるまで煮ます。オートミールの調理が完了したら器に移し、その上に加熱したりんごとシナモンパウダーをトッピングしたら完成です。
煮りんごをトッピングしたオートミール粥は、朝食にピッタリ。甘さがほしい場合は、血糖値を上げない甘味料を使用してください。
まるごとりんごのシャーベット
材料:りんご
りんごを皮つきのまま4等分にし、芯を取り除きます。耐熱ボウルにりんごを入れ、ふんわりとラップをかけたらそのまま2~3分加熱しましょう。粗熱が取れたら冷凍庫に移し、凍らせたら完成です。
カチカチの凍ったままのりんごだと食べにくいので、少し常温で解凍してから食べてください。カチカチに凍ったまま、すりおろすのも食感が変わっておすすめです。
りんごを上手に利用すれば糖質制限ダイエットに役立つ
りんごの糖質(皮つき)は100gあたり14.3gで、カロリーは56kcalと果物の中では平均的です。しかし、食物繊維を100gあたり1.9gほど含んでいる低GI食品なので、糖質制限ダイエット中でも安心して食べられます。
ただし、糖質制限中は「皮つきのまま食べる」「砂糖を加えない」「朝かおやつとして食べる」「適量を守る」の4つに注意してくださいね。特にりんごは食べすぎると、中性脂肪に変わりやすい性質を持ちます。1食あたり1/3~1/4個を目安にし、1日あたり多くても1/2個にとどめておきましょう。
りんごを使ったおやつを作るときは、今回紹介したような砂糖を使わないレシピにチャレンジしてみてください。りんごの適量を守って、上手に糖質制限ダイエットに役立てましょう。
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参考:
『りんごのカロリー グラムのわかる写真館』 -株式会社 栄養計算.com
『栄養科通信 vol.139「果糖の摂りすぎにご注意」』-倉敷平成病院
『GI Search』- The University of Sydney