“糖質制限”という言葉だけ聞くと、「とにかく食事中の糖質を徹底的に抜かなくちゃ!」と思ってしまいがちですね。
でも、ちょっと待って。
糖質制限ダイエットにおいて、「糖質の摂取量を減らす」のは大事なことですが、それだけではダメなのです。
糖を抜くだけじゃダメ!?
引き算ばかりのダイエットを卒業しよう。
これまでダイエットの定番といえば、カロリー制限。カロリーを摂らないダイエットは、とにかく“引き算”の考え方でした。
皆さんも経験ありませんか?
「よし!一日の総カロリーを減らすには、まずアレを食べるのをやめよう!コレを飲むのを減らさなきゃ……!」
このように、通常の食事からどんどん食べるものを“減らしていく”という考え。これぞ、ダイエッターが抜け出せなくなる“引き算”の理論です。
糖質制限や低糖質ダイエットを始めようと思った時、ついつい、この引き算理論を応用してしまう方がいます。カロリー制限ダイエットの時と同じように、いつもの食事から糖質をひたすら抜いてしまえばいいよね!という考えです。
でも、この考え方は、いますぐ捨ててしまいましょう。なぜなら、そんな引き算ばかりの方法では、かえって痩せにくく、太りやすい体になりかねないからです。
低糖質ダイエットは、“足し算”で考える!
ただやみくもに糖質を抜くと、どうなるでしょうか。
結果、体は栄養不足の状態に陥ります。「食べなければ痩せる」という考え方は、とても危険。ダイエットの最大の落とし穴、それがこの「栄養不足」です。
私たちの体は、栄養が足りていないと「基礎代謝」が下がります。基礎代謝とは、生命維持のためのエネルギーのこと。分かりやすく言うと、呼吸や体温調節など、じっとしていても消費されるエネルギーのことです。
基礎代謝をあなどるなかれ。なんと一日の消費エネルギー全体の60%前後も占めているんです。
基礎代謝が高ければ高いほど、ハードな運動をせず普通の生活をしているだけで、より多くのエネルギーが消費されていることになります。この基礎代謝のうち、約20%は筋肉が担っていると言われています。
ただやみくもに糖質を抜くだけでは、この筋肉を作る「たんぱく質」が不足しがちになります。そうすると、徐々に筋肉が減り、基礎代謝が下がり……。おのずと、1日の消費エネルギーが減ってしまうのです。栄養不足だと、かえって太りやすくなってしまうのですね。
糖質制限中、低糖質ダイエット中こそ、栄養バランスの良い食事をしっかり食べて、栄養をしっかり補うことが基本です。
糖質を減らした分、代謝アップのための「たんぱく質」、そして健康維持に必要なビタミン・ミネラルが豊富な「野菜」、さらに「脂質」など、「代謝を維持するために必要な栄養」を、どんどん足し算していきます。
そうすると、満足のいく食事量が取れ、糖質が入るスキなどなくなってしまうというわけです。
低糖質ダイエットの食事は、とにかく“足し算”と覚えておきましょう。
良質なたんぱく質を摂ろう
やせ体質になるためには基礎代謝が重要で、そこで大きな役割を占めている筋肉を落とさないことが大切だと分かりました。
筋肉を維持して、増やしていくためには、ズバリ「たんぱく質」が重要です。低糖質ダイエット中の方は、『糖質は抜くだけではなく、良質なたんぱく質とのトレードオフする!』を徹底しましょう。
糖質を減らしたら、たんぱく質を必ず食事で足すようにしたいですね。
たんぱく質含有量の多い食材といえば、肉類や魚介類、卵、乳製品などがあげられますが、その中でも特にオススメしたい食材が、大豆!
大豆には植物性たんぱく質がたっぷりで、食物繊維やビタミンB・E、カルシウムや亜鉛などのミネラルも豊富に含まれています。さらに中性脂肪に働きかける大豆レシチン、巡りをサポートする大豆サポニン、女性にうれしい大豆イソフラボンと、体を整えてくれる成分や栄養素もしっかり摂取できる優秀食材。
「九州まーめん」の原材料も、大豆です。
糖質の多い小麦麺や白米を減らす分、大豆麺を主食にするのは、糖質を減らすだけでなく、たんぱく質摂取にも役立つんですね。
たんぱく質は、代謝アップだけでなく、美肌づくり、良質な睡眠、体の巡りケアなどに不可欠で、結果的に健やかな生活習慣につながります。
ダイエット成功を握るのは、なんといっても「たんぱく質」です。美しくやせるためにも、高たんぱく質食品を上手に活用しましょう!
次回は、知っているようで案外知らない「痩せる回路」の秘密にせまります。
→次の記事
低糖質ダイエットのススメ『糖質制限ダイエット、成功のカギは「ケトン体」!』
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参考:
麻生れいみ(2016)『麻生れいみ式ロカボダイエット』ワニブックス.