「筋トレを頑張っているのに、思うように痩せない」「活動量計を見ても、消費カロリーが上がらない」
という人は、決して少なくありません。なぜなら、筋トレで消費できるカロリーはそれほど多くないからです。この記事では、筋トレのなかでも比較的消費カロリーが大きな種目と、筋トレの効果をアップさせるポイントを紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
筋トレの消費カロリーはそれほど多くない
ダイエットの原則は「摂取カロリー<消費カロリー」です。摂取カロリーより消費カロリーが多ければ、痩せられます。
ダイエット中の方のなかには、筋トレを毎日欠かさず行っているという方もいるでしょう。
しかし、筋トレの消費カロリーはそれほど多くないため、筋トレだけで消費カロリーをアップさせるのは簡単なことではありません。
まず、筋トレの消費カロリーの求め方と、主な筋トレの消費カロリーを見ていきましょう。
消費カロリーはMETsを使って求める
筋トレに限らず、運動の消費カロリーは「METs(メッツ)」を使って求めます。
METsとは、安静時を1とした場合の活動の強度を示す値です。2METsの運動なら安静時に比べて2倍のカロリーを、5METsなら5倍のカロリーを消費する運動であることを表します。
METsを使った消費カロリーは、次の計算式で求められます。
エネルギー消費量(kcal) = 1.05 × エクササイズ(METs・時)× 体重
例えば、体重50kgの人が3METsの運動を30分行った場合の消費カロリーは、
1.05×3METs×0.5時間×50=78.75kcal
です。
運動ごとのMETsの値は、国立健康・栄養研究所の『改訂版 身体活動のメッツ(METs)表』に掲載されています。
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
主な筋トレの消費カロリー
ここからは、代表的な筋トレ種目の腹筋・スクワット・腕立て伏せの消費カロリーを見ていきましょう。
体重50kgの人が腹筋(2.8METs)を1時間行った場合の消費カロリーは、
【1.05×2.8METs×1時間×50kg=147kcal】
です。
負荷によってMETsが変わるので、消費カロリーには幅があります。
スクワット(5METs)の消費カロリーは、
【1.05×5METs×1時間×50kg=262.5kcal】
です。
1分間スクワットを正しい姿勢で行った場合、約4.38kcal消費できます。
腕立て伏せのMETs値は、3.5METsです。1時間休みなく行った場合、
【1.05×3.5METs×1時間×50kcal=184kcal】
のカロリーが消費できます。
ここで挙げた筋トレの消費カロリーは、1時間休みなく行った場合の消費カロリーです。実際に休憩を入れながら行うと、これより消費カロリーは少なくなります。
消費カロリーの大きな筋トレなら「HIIT」がおすすめ!
では、短時間でたくさんのカロリーを消費できるトレーニングはないのでしょうか?
「効率的に筋トレしたい」
「ハードでも短時間で鍛えたい」
という方におすすめなのがHIIT(ヒット)です。
HIITは短時間で効率的にトレーニングできる!
HIITは、別名「高強度インターバルトレーニング」といいます。短時間に集中してトレーニングを行うことで、高い効果が得られる話題のトレーニング方法です。
HIITでは、高強度の無酸素運動と軽めの有酸素運動または休憩を、数分間繰り返して行います。複数のトレーニングを組み合わせて行うことで、短時間でも体に高い負荷がかかり、効果的にダイエット・トレーニングが行えるのが魅力です。
HIITで行うトレーニングは、自分の目的や体調に合わせて組み合わせを変えられます。しかも、「アフターバーン効果」といって、運動後も脂肪燃焼が続くので、より効率的に体脂肪を落としたい人にはぴったりです。
HIITを行う際の注意点
HIITを行う際は、次の点に注意しましょう。
・空腹または満腹の状態で行わない
・毎日行わない
・ウォーミングアップやクールダウンをしっかり行う
空腹や満腹の状態で行うと、脂肪の代わりに筋肉が分解されてしまったり、消化器官に大きな負担がかかったりします。HIITを行うときは、1~2時間前までに食事を済ませておきましょう。
またHIITは負荷の大きなトレーニングです。毎日行うとケガや不調が起こりやすくなります。ウォーミングアップやクールダウンもしっかり念入りに行って、ケガの予防に努めましょう。
筋トレの効果をアップさせる3つの方法
それでは、筋トレの効果をアップさせる3つの方法をお伝えしましょう。
食事の量と内容を工夫する
筋トレをしている人のなかに糖質を極端に制限している人がいますが、糖質の制限しすぎは体にとってよくありません。糖質は私たちの体の大切なエネルギー源です。「一切食べない」のではなく、「とり過ぎないようにセーブする」ことを意識しましょう。
筋トレ中は、筋肉を作るためのタンパク質が不足しがちになるので、鶏むね肉や卵、乳製品などのタンパク質は積極的にとってくださいね。
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制限しすぎは健康を損なうリスクがある
ダイエットの基本は「摂取カロリー<消費カロリー」ですが、摂取カロリーが少なすぎると「FAT(Female Athlete Triad:女性アスリートの三主徴)」に陥るおそれがあります。
FATに陥ると、
・利用可能なエネルギー量の不足
・無月経
・骨粗しょう症
などの症状に見舞われやすくなるので、必要最低限のエネルギーはしっかりとるようにしてください。
有酸素運動も行う
残念ながら、筋トレだけでダイエットを成功させるのは簡単なことではありません。
より効率的にダイエットを行いたいのであれば、ウォーキングやヨガなどの有酸素運動も取り入れましょう。有酸素運動を取り入れることで、脂肪の燃焼効果が高まりますよ。
有酸素運動を行うタイミングは、筋トレの後です。20分程度で構わないので、ぜひ取り組んでみましょう。
週に1~2回を目安に行う
筋トレの効果をアップさせるには、毎日行わないことも重要です。なぜなら、筋肉をつけるには、筋トレで傷ついた筋肉を休ませる時間が欠かせないからです。
筋トレ後にしっかり食事をとって、十分な休息をとると、筋肉が激しい運動にも耐えられるように強くなろうとします。これを「筋肉の超回復」といいます。
筋トレを毎日行うと、筋肉が強くなろうとする時間が取れなくなり、かえって筋肉が付きにくくなるので、筋トレは週に1~2回を目安に行いましょう。
日常的に筋トレを行っていない人なら、1週間に1回の筋トレで十分鍛えられます。
筋トレで余分なカロリーをため込まない体に!
筋トレを続けて筋肉がついてくると、基礎代謝がアップします。基礎代謝がアップすると、消費カロリーもアップするので、食べても太りにくく痩せやすい体に変わってきますよ。
筋トレは、毎日行わなくても構いません。自分に合ったトレーニング方法で、筋トレを続けていきましょう。
筋トレ中は食事も気になるところですよね。こちらの記事では筋肉に欠かせないタンパク質を多く含む食べ物をまとめているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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