糖質制限ダイエットは、運動嫌いの人にとってうってつけの方法だと思っていませんか?たしかに糖質の制限だけで、ある程度やせることはできます。しかし、糖質制限は理想的な食生活とは異なるので、一時的な方法だと考えたほうがいいでしょう。そのためなので、いつかは糖質制限をやめないといけません。
また、糖質制限は内臓脂肪に効果的ですが、皮下脂肪には効果が薄いのです。このような理由から、糖質制限中も筋トレが必要になります。
この記事では、糖質制限中に筋トレを取り入れるメリットと、糖質制限と筋トレを両立させる方法、おすすめの筋トレについて紹介します。しなやかな体をつくりたい方は、ぜひご覧ください。
糖質制限中に筋トレを取り入れるメリット
糖質制限中は、すでに糖質を制限するというダイエット方法を実践しているわけなので、わざわざ筋トレなんて必要ないように思えますよね。しかし、糖質制限中に筋トレを取り入れることで、うれしい4つのメリットを実感できます。
1.基礎代謝量がアップする
筋トレをすることで筋肉量が増え、基礎代謝量が増えます。そもそも基礎代謝量とは、安静時でも消費されるエネルギー量のこと。基礎代謝量のうち、約22%を骨格筋(筋肉)が占めていることから、ダイエット中こそ筋肉量を増やすべきなのです。
2.糖質制限をやめたあともやせやすい体ができている
糖質制限中に筋トレが必要な理由として、糖質制限を解除したあとも、やせやすい体がつくられているという点があります。
糖質制限を一生続けられるかというと、そうではありません。長期間糖質制限を続けていると、やはり体に負担をかけることになります。日本人の食事摂取基準(2020年版)で定められているように、食事の理想は糖質50~65%、脂質20~30%、たんぱく質13~20%の割合です。これは栄養不足にならず、なおかつ生活習慣病の発症を予防するのに適した割合なので、逸脱するような食生活を長期間続けるのはすすめられません。
糖質制限をやめたあと、普通の食生活に戻すとリバウンドしがちですが、筋肉量が多いと基礎代謝量も多く、リバウンドしにくいのです。糖質制限解除後のことも考えて、筋トレを取り入れてみましょう。
3.皮下脂肪にアプローチできる
糖質制限では、内臓脂肪を減らせます。内臓脂肪はつきやすく、落ちやすいので、食事制限でも減らしやすいのです。内臓脂肪は男性につきやすいという特徴があります。
一方、皮下脂肪は皮膚のすぐ下につきやすく、お腹やお尻、太ももなど下半身に集中しやすいのが特徴です。こちらは女性につきやすく、一度つくとなかなか中々落とせない厄介な代物です。糖質制限では皮下脂肪を減らすのは困難なので、筋トレが必要になります。
基礎代謝量が上がるほど皮下脂肪を減らしやすいので、皮下脂肪が気になる方は筋トレが必須だと考えましょう。詳しい筋トレの方法はのちほどご紹介しますね。
4.高たんぱく質食と筋トレは相性抜群
糖質制限中は糖質を控える代わりに、脂質とたんぱく質の量を増やします。たんぱく質の摂取量が多くなるということは、筋トレに最適な食事方法なのです。効率よく筋肉を育てるには、運動後45分以内にたんぱく質を補給しましょう。
ただし、筋肉量を増やすにはある程度糖質が必要です。ロカボで推奨する1日70~130g以内の糖質は摂取するようにしましょう。
筋トレと糖質制限を両立させるには
「糖質が少ない状況で筋トレは両立できないのではないか」という意見もあります。たしかに、ボディービルダーのように筋組織を肥大化させるような筋トレをするには、糖質が足りません。
しかし、元々筋肉量の少ない人が筋肉を増やすくらいの筋トレであれば、糖質制限中でもOKです。ここでは糖質制限中に筋トレを両立させるための注意点やポイントをご紹介します。
エネルギー不足にならないよう注意する
糖質制限中は糖質によるエネルギーがあまり期待できません。そのため、たんぱく質と脂質をしっかり摂って、エネルギー不足にならないよう注意しましょう。筋トレ期間中にエネルギーが不足すると、筋肉が分解されてエネルギーとして利用されてしまうので、筋トレの意味がなくなってしまいます。
脂質の過剰摂取に注意
脂質は効率のよいエネルギー源ですが、摂り過ぎには注意が必要です。3食すべて揚げ物や脂質の多い部位の肉ばかり食べるというような、極端な食事はおすすめできません。余った脂質は中性脂肪となり、内臓脂肪や体脂肪として蓄えられてしまいます。
筋トレ後にプロテインを活用する
筋トレ後、45分以内にたんぱく質を摂ると、吸収がされやすくなります。サラダチキンや鶏むね肉などのたんぱく質が用意できればそれでもいいのですが、筋トレ後に用意するのは面倒なことも。
そこで、プロテインを活用してみてはいかがでしょうか。プロテインはたんぱく質が吸収されやすい状態にしてあるので、より効率よく筋肉にアプローチできます。また、筋肉の合成を高めるための糖質が適量含まれているので、筋トレ中にピッタリなのです。
ただし、プロテインを溶かすものは、水、無調整豆乳、牛乳などにしましょう。調整豆乳やジュースは糖質が多いので、糖質制限中はおすすめできません。
糖質制限中におすすめの筋トレメニュー
糖質制限中におすすめの筋トレメニューを2つご紹介します。筋トレ後に余力があれば、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動をすると、さらに脂肪燃焼が期待できますよ。
1.スクワット
スクワットは、太ももやお尻などの筋肉を鍛えられます。太ももやお尻の筋肉は大きく、鍛えることでより基礎代謝量アップが期待できるのです。では、やり方を見ていきましょう。
1.足を肩幅程度に開き、つま先を膝と同じ方向にしましょう。
2.手を胸の前で軽く組み合わせ、そのまま太ももと床が並行になるくらい腰を落とします。猫背にならないよう注意!
3.ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
4.2と3を繰り返します。
スクワットの目標は50回。10回を1セットにして、適度に休憩をはさみながら行えば、初心者でも無理なくできます。ただし、50回が辛い場合は無理のない回数に減らしてOKです。無理のない回数がこなせるようになったら、5回増やしてみる、など徐々に増やしていきましょう。
サイドランジ
スクワットの派生形である、サイドランジは太ももの内側や、ヒップアップにも効果的です。
1.足を肩幅の1.5~2倍程度に開き、手を胸の前で軽く組み合わせます。
2.そのまま横に体重をかけ、膝が90度になるまで曲げましょう。
3.反対側も同様に行います。2と3を20回繰り返しましょう。
1セット20回を目標にし、しんどくなければ数セットこなしましょう。膝とつま先の向きを同じにしないと、関節に負担がかかってしまいます。
【上級編】片足スクワット
より高負荷のスクワットをするなら、片足スクワットにチャレンジしてみましょう。ただし、初心者がいきなり挑戦すると、負荷がかかりすぎてケガをする恐れがあります。
1.イスを用意したら前に立ち、片足をイスにのせましょう。膝がつま先より出ると、膝や足首に負担をかけるので、注意が必要です。
2.手を後頭部で組んだら、背筋を伸ばしたまま、前足をゆっくりと曲げましょう。膝は真下に落とすイメージです。
3.ゆっくりと元に戻します。
片足10回を目標にしましょう。膝はつま先と同じ向きに下ろすのが鉄則です。
2.プランク
プランクは体幹を鍛えたり、お腹の筋肉を鍛えたりできます。お腹回りが気になる方は、ぜひ取り組んでください。ではやり方を紹介します。
1.うつ伏せになり、肘を90度に曲げましょう。
2.そのまま腰を上げ、つま先と両腕で体を支えます。頭からかかとまで一直線になるよう、姿勢をキープします。
3.60秒キープしたら完了です。
姿勢をキープしている間、呼吸を忘れないようにしましょう。60秒が難しければ、30秒でも構いません。慣れない間は鏡などでフォームをチェックするといいでしょう。
サイドプランク
くびれをつくりたいときは、サイドプランクがおすすめです。腹斜筋という部位を鍛えられます。
1.横向きの状態で肘を90度に曲げ、両足を伸ばした状態で重ねます。
2.そのまま腰を上げ、足と腕で体を支えます。頭からかかとまで一直線になるように姿勢をキープしましょう。
3.20~30秒程度キープしたら完了です。
腰を曲げたり首を曲げたりすると、正しく負荷がかかりません。こちらも鏡などでフォームを確認してみましょう。
糖質制限中は筋トレを取り入れてしなやかな体をつくろう
糖質制限を長期間継続すると、体に負担をかけるため、いずれは解除しなくてはなりません。その際にリバウンドしないよう、筋トレで基礎代謝量を上げておきましょう。また、糖質制限だけでは皮下脂肪は落とせないので、皮下脂肪が気になる方は筋トレが必要です。
今回筋トレ初心者でも取り組みやすい、基本の筋トレを紹介したので、ぜひチャレンジしてくださいね。糖質制限中こそ筋トレを取り入れて、美しくしなやかな体をつくりましょう。
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参照:
加齢とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
日本人の食事摂取基準(2020 年版) 「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書