糖質制限中は、砂糖の代わりにはちみつを使うのがおすすめと聞いたことはありますか?はちみつは濃厚な甘さを持つことから、当然糖質量は多めです。ただし、甘さが強いので砂糖の約1/3量ですむことから、砂糖の代わりになるという話になっているのでしょう。しかし、砂糖の代わりにはちみつを使っていると、目標糖質量をオーバーする原因になりかねません。
この記事では、はちみつが糖質制限に不向きな理由や、はちみつのメリット、はちみつの代替になる甘味料について紹介しています。糖質制限の甘味料について悩んでいる方は、ぜひご一読ください。
はちみつは糖質が多く糖質制限中に不向き
結論からい言うと、はちみつは糖質が多い食品なので、糖質制限には向いていません。はちみつの糖質量はこちら。
エネルギー(kcal) | 糖質(g) | |
小さじ1(7g) | 23 | 5.7 |
大さじ1(22g) | 72 | 18 |
100g | 329 | 81.9 |
はちみつは液体なので重量があり、エネルギーも糖質量も多めです。もし無糖ヨーグルトにはちみつを大さじ1杯入れたとしたら、それだけで1食分の目標糖質量である20~40gを、ほぼ達成してしまいます。
砂糖とはちみつの糖質量を比較
「砂糖の代わりにはちみつを使っていいって聞いたんだけど……」という方に、こちらを見ていただきたいのです。
エネルギー(kcal) | 糖質(g) | |
はちみつ大さじ1(22g) | 72 | 18 |
砂糖大さじ1(9g) | 35 | 8.9 |
もしレシピに砂糖大さじ2と書いてあるものをそのままはちみつに置き換えると、砂糖だと糖質が17.8gですむところを、はちみつに置き換えることで36gになってしまいます。
はちみつとメープルシロップの糖質量を比較
はちみつと似た、メープルシロップの糖質量はどうでしょうか。
エネルギー(kcal) | 糖質(g) | |
はちみつ大さじ1(22g) | 72 | 18 |
メープルシロップ大さじ1(19g) | 51 | 12.6 |
はちみつは大さじ1杯で22gに対し、メープルシロップは大さじ1杯で19gです。重さはさほど変わりませんが、メープルシロップのほうがエネルギー、糖質量ともに少なめという結果になりました。なお、はちみつと同じ22gに合わせたとしても、糖質量は約14gとはちみつよりも少なくなります。
ただし、糖質が多いことには変わりありません。安易にはちみつの代わりにメープルシロップを選択すると、糖質量がオーバーする原因になります。
はちみつのGI値は砂糖より低いのは事実
糖質制限中に、はちみつを砂糖の代わりにするのはすすめられないと説明しました。ただし、はちみつのGI値(血糖値の上がりやすさを示す数値)が砂糖より低いのは、事実です。砂糖のGI値は91に対し、はちみつ(アカシア)は53なので、血糖値が上がりにくい食品と言えます。なお、GI値が70以上で高GI食品、69~56で中GI食品、55以下で低GI食品に分類されるので、はちみつは低GI食品です。
しかし、いくらGI値が低くても糖質は多い食品に変わりありません。糖質制限中の甘味料には選ばず、ヨーグルトなどに少量使う程度にとどめてください。
糖質制限中でなければはちみつは積極的に使いたい食品
はちみつは糖質制限中には不向きですが、糖質制限中でなければ積極的に使いたい食品です。その理由を説明します。
はちみつは栄養豊富
はちみつは栄養豊富な食品です。精製された砂糖には含まれないビタミンやミネラルが含まれています。さらに、腸内細菌のエサになるオリゴ糖が含まれているなど、体にやさしい食品なのです。
料理に深みが出る
はちみつを料理に使うと、味に深みが出るのもメリットです。また、肉を柔らかくしたり、臭みを消したりするなど、いいことずくめ。いつもと同じ料理にはちみつを加えるだけで、褒められる味に仕上がりますよ。
すばやくエネルギーに変わる
はちみつはすばやくエネルギーに変わります。はちみつに含まれる糖類は、果糖とブドウ糖の2種類。これらは単糖類と呼ばれ、これ以上分解できない形の糖です。そのため、体内に吸収されるとすぐにエネルギーとして利用されます。運動前後にはちみつレモンを食べるのは、理にかなっているのです。
はちみつに代わる糖質制限中におすすめの甘味料
はちみつにはメリットもたくさんありますが、やはり糖質制限中の甘味料としては向きません。そこで、はちみつに代わる、糖質制限中におすすめの甘味料を紹介します。
エリスリトール
エリスリトールは、糖アルコールの一種です。血糖値を上げない甘味料なので、糖質制限中にピッタリ。ただし、甘さは砂糖よりも控えめなので、慣れるまで味が決まりにくいかもしれません。また、冷たいものに溶けにくい性質があるので、飲み物などに入れるとザラザラ感が残ります。エリスリトールはスーパーなどに流通しておらず、通販で購入しなければなりません。
スクラロース
スクラロースは砂糖を原材料に作られた甘味料ですが、カロリーゼロ・糖質ゼロです。もちろん血糖値に影響を与えません。砂糖に近い甘さなので、違和感なく使えるでしょう。また、熱に強く煮物や焼き物などにも使いやすいのが特徴です。ただし、スーパーなどでは販売しておらず、通販を利用しなければなりません。
オリゴ糖
オリゴ糖はエネルギーとして利用されにくく、血糖値にも影響を与えにくい甘味料です。善玉菌のエサになるので、整腸作用が期待できます。ヨーグルトと相性がいいので、糖質制限中ヨーグルトにかけるなら、はちみつよりオリゴ糖がおすすめです。薬局やスーパーなど、身近な場所で手に入ります。
パルスイート
パルスイートとは、味の素が販売する甘味料のことです。アスパルテームやアセスルファムk、エリスリトール、スクラロース、アドバンテームなど、複数の甘味料を使用することで、砂糖に近い自然なおいしさを実現しています。顆粒と液体があるので、用途に応じて使い分けができるのも魅力です。こちらもスーパーや薬局で手に入れられます。
ラカントS
ラカントSとは、サラヤが販売する甘味料です。天然甘味料でありながら、血糖値にほとんど影響を与えません。羅漢果という中国でしか栽培できない果実が原材料の、天然甘味料です。砂糖と同じような甘さなので、甘味料をはじめて使う人でも違和感なく使えるでしょう。冷たいものにもサッと溶けます。こちらも、スーパーや薬局で販売されています。
糖質制限中ははちみつを我慢して代替甘味料に置き換えよう
はちみつは砂糖にない栄養が含まれていたり、エネルギーとして利用されたりしやすいなどのメリットがあるものの、糖質量が多いので糖質制限中は不向きです。もしはちみつを使うのであれば、きちんと計量をしましょう。糖質制限中ははちみつを甘味料として利用せず、糖質ゼロの甘味料を利用することをおすすめします。甘味料なら糖質のことを気にせず使えるので、糖質制限中がよりストレスフリーになりますよ。
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参照:食品成分データベース