糖質制限にも相性がある!? 低糖質ダイエットに向いている人、いない人

ここ数年で、「糖質制限」や「低糖質ダイエット」の知名度はぐんと上がりました。ボディラインを絞ろうとした時に選択肢に上がることも多いでしょう。

ですが、低糖質ダイエットをいざ取り入れてみたけど、なぜかうまくいかなかった……という経験のある方もいるのでは?

それはもしかしたら、あなたが低糖質ダイエットに「向いていないタイプ」だったからかもしれません。

今回は、低糖質ダイエットに向いている人、向いていない人、どんな違いがあるのか考えてみました。糖質制限にチャレンジしようと思っている方も、ぜひチェックしてみてくださいね。

糖質制限、成功のカギは「糖新生」にあり。

低糖質ダイエットを成功させるために欠かせないのが「糖新生」機能です。

糖新生とは、その名の通り「糖を新しく生む」こと。
「糖ではない物質から糖を作り出すシステム」、それが「糖新生」です。

そもそも低糖質ダイエットでは、糖質摂取量をコントロールし、血糖値の上昇を抑え、肥満ホルモンでもあるインスリン分泌を抑えるのが目的です。

ですが、糖質は私たちが活動する上でなくてはならないエネルギー源。糖質制限をして食事から摂れる糖質が不足すると、「活動エネルギーをどうにか補充しなくちゃ……!」と、体は体脂肪を使った糖質を肝臓で作り出すようになります。

これが、いわゆる「ケトン体」。詳しくは以前の記事でも紹介していますが、体がケトン体回路に切り替わると体脂肪を燃料としてどんどん使うので、痩せてくるというわけです。

痩せやすい「ケトン体回路」

低糖質ダイエットがうまくいかなかった方は、そもそも、この「糖新生」機能がきちんと働いているかが重要になってきます。では、糖新生がスムーズに行われない原因をチェックしていきましょう。

低糖質ダイエットに向いていないのは、こんな人!

 

①たんぱく源など、栄養が不足している人

まず考えられるのは、日頃の食事で栄養が十分に摂れていない人です。

糖新生がスムーズに行われるには、たんぱく質などの栄養素をしっかり補えていることが重要です。たんぱく質やビタミン類は、肉や魚などに多く含まれています。もともと食が細い方、偏食の方、極端なベジタリアンの方は、もう一度食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

たんぱく質をしっかり食べる女性
逆に、肉、魚、大豆、卵といったたんぱく源をバランス良くしっかり食べられる人は、低糖質ダイエットに向いていると言えます。

 

②筋肉量が少ない

ダイエットにおいて、重要な基礎代謝。筋肉は一番エネルギーを消費する部分なので、筋肉量が少ないと基礎代謝量も少ないということになります。いくら食事で糖質を抑えてもあまり痩せない……という方は、筋肉量が極端に少ない可能性があります。糖質制限中は、ぜひ軽い運動も一緒に取り入れましょう。

低糖質食+運動」の組み合わせを続けられる方は、低糖質ダイエットに向いていますよ。
軽い筋トレをする女性

 

③ストレスが多い生活スタイル

ストレスいっぱいで疲れやすい環境にある方も、低糖質ダイエットに向いていないことがあります。
ストレスに悩む女性

副腎から出ている「コルチゾール」というホルモンには、身体を守り、下がった血糖値を上げる働きがあります。このホルモンはストレスの多い環境で分泌されるので、普段からストレスを多く抱えている方は、コルチゾールが常時大量分泌している状態です。あまり長く続くと副腎が疲れて、そのうちコルチゾールがうまく分泌できなくなってきます。

そんな状態で低糖質ダイエットをすると、血糖値調節がうまくいかなくなることがあります。疲れた状態での無理なダイエットは免疫力を低下させる場合もあるので、まずは日常のストレスを減らし、健康的な生活を取り戻すことを優先させましょう。

④カロリーを摂ることに罪悪感がある

低糖質ダイエット中はたんぱく質や脂質をしっかり摂ろう

低糖質ダイエットでは、糖質はセーブするけれど、それ以外のたんぱく質や脂をしっかり摂るのが鉄則です。
けれど、ダイエットを始めると「今までの習慣」で、ついつい高カロリーな食事を避けてしまう人が少なくありません。それではエネルギー不足になり、体はバテバテ。不健康な状態になって、ダイエットが失敗してしまうのです。

「糖質をコントロールしているのだから、高たんぱく質、高脂質な食事をしっかり食べよう!」
そう意識をスパッと切り替えられる方は、糖質制限が成功しやすいでしょう。

 

「絶対に」糖質制限をやってはいけない人とは?

最後に、低糖質ダイエットが完全にNGの人もいます。

それは、血糖値を下げる薬を飲んでいる人や、インスリン注射をしている人。こんな方が糖質制限をすると低血糖発作を起こす可能性があるので、絶対に糖質制限はしてはいけません。

また、肝臓や腎臓にトラブルを抱えている人も、糖質瀬源はNG。糖新生に関わってくるためです。

上記を含め、何かしら体に不調を抱えて通院している人は、ダイエットを実施する際には必ずかかりつけ医に相談してください。無理なダイエットが必要ない場合もあります。本当にダイエットが必要なときは、あなたの体に合う方法をアドバイスしてもらえるでしょう。

 

低糖質ダイエットは、食べることを我慢せず、健康的にウェイトコントロールすることが目的です。あなたの身体やライフスタイルときちんと向き合って、無理のない範囲で実行してくださいね。

 

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参考:
江部康二(2016)『よくわかる!すぐできる!「糖質オフ!」健康法』PHP研究所