糖質制限中でもカロリー制限すべき?目安のカロリーは?

糖質制限中はカロリーを気にしなくていいと思っていませんか?実は半分正解で、半分間違った考え方です。やはり糖質制限中であっても、カロリー制限は必要だと考えます。では、なぜ半分正解なのかというと、糖質を控えることで自然とカロリー摂取が抑えられるからです。

この記事では、糖質制限中であってもカロリー制限が必要な理由や、糖質制限中のカロリーの目安、カロリーが不足すると起こることについて説明します。間違った糖質制限のやり方でかえって太ってしまったということがないよう、ぜひ最後まで目を通してくださいね。

糖質制限中にはある程度カロリー制限も必要

そもそもタンパク質はなぜ必要?

糖質制限中、カロリーはいくら摂ってもOKと考える人も少なくありません。しかし、糖質制限中であってもある程度のカロリー制限は必要だと考えます。その理由を詳しく説明しますね。

消費エネルギー>摂取エネルギーが必要

人がやせるには、消費カロリーが摂取カロリーを上回らなければなりません。これは、糖質制限中でも同じです。糖質だけを制限して、毎食揚げ物やハイカロリーな肉料理、お酒などをたくさん飲み食いすると、消費カロリー量を上回ってしまいます。

消費されなかった脂質やたんぱく質は、体脂肪として蓄積されるので、結果として太ってしまうのです。

糖質を控えることで摂取エネルギーも抑えられる

では、なぜロカボをはじめとする糖質制限のサイトでは「カロリーは気にしなくてOK!」と言っているのでしょうか。

その答えは、糖質を控えることで摂取カロリーも自然と抑えられるところにあると考えます。糖質はカロリーも多めで、たとえばごはん1膳分(150g)のカロリーは234kcalです。もし3食ごはんを食べていたとすると、ごはんを食べないだけで702kcalも控えられます。ごはんを毎食大盛食べていた人などは、もっとカロリーを控えられますね。

このように、糖質を多く含む食品を控えることで摂取カロリーが抑えられるため、脂質やたんぱく質を控えなくてもいい=カロリーは気にしなくていい、となるのでしょう。

引用:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

糖質制限中における摂取カロリーの目安やコツは?

たんぱく質を無理なとれる1日の食事例

糖質制限中も、ある程度カロリーを制限すべきだと説明しました。では、摂取カロリーの目安はどう考えればいいのでしょうか。また、摂取カロリー以内に抑えるための食事のコツなどをお伝えします。

適正カロリーの考え方

人それぞれ、適正カロリーがあります。身長や年齢、性別、運動量などで異なるため、詳しい計算方法をご紹介しましょう。

例:40歳女性/156cm/車中心の営業職(身体活動レベルⅡ)
①身長(m)×身長(m)×22=標準体重
1.56×1.56×22=約53.5kg(標準体重)

②標準体重×性・年齢別基礎代謝基準値=基礎代謝量
53.5×21.7=約1161kcal(基礎代謝)

▼性・年齢別基礎代謝基準値

年齢(歳) 男性 女性
18~29 24.0 22.1
30~49 22.3 21.7
50~69 21.5 20.7

※引用:加齢とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

③基礎代謝量×身体活動レベル=適正エネルギー量
1161×1.75=約2032kcal(適正エネルギー量)

身体活動レベル 日常生活の内容
1.50 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
1.75 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合

 

2.00 移動や立位の多い仕事への従事、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合

※引用:日本人の食事摂取基準(2020年版)身体活動レベル別に見た活動内容と活動時間の代表例

約2032kaclが適正カロリーだと分かりましたが、具体的にどのような食事だと2032kcalになるのでしょうか。

理想的な食事の例

約2032kcalの食事例を提示しましょう。

時間帯 メニュー カロリー(kcal) 糖質
オートミール30g+豆乳150ml+冷凍ブルーベリー20g+チーズ入りスクランブルエッグ(ケチャップ)70g 437 28.5
チキンステーキ単品200g(付け合わせ:ブロッコリー20g・とうもろこし20g)+野菜サラダ50g(ドレッシングあり)+コンソメスープ150ml+無糖カフェラテ250m 836 29.2
間食 ギリシャヨーグルト(添付はちみつ)88g 103 10.2
サバの塩焼き80g+大根おろし20g+味噌汁(豆腐・わかめ・なめこ・オリーブオイル)+コールスローサラダ(キャベツ・にんじん・とうもろこし)150g 665 20

適正カロリー内におさめるためのコツ

思ったより適正カロリー量は多いかもしれませんが、揚げ物や脂質たっぷりの肉を取り入れるだけで、カロリーは跳ね上がります。たとえば、鶏もも肉を使ったから揚げ100g(約3個)で307kcalサーロインステーキ100gで460kcalと少量でもハイカロリーですね。毎食このような食事を取り入れると、あっという間にカロリーオーバーするので、注意しましょう。

脂質だけでカロリーを補おうとせず、脂質控えめの肉や魚なども組み合わせて、適正カロリー内に収めるようにしましょう。また、食物繊維が豊富な葉物野菜やきのこ、海藻類もしっかり食べましょう。食物繊維がお腹の中で膨らんで、腹持ちをよくしてくれます。おからパウダーやオートミールを活用するのもおすすめです。

食物繊維の働きや、多く含まれる食材について詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。

食物繊維が豊富なおすすめ食材を紹介!

食事内容を変えたくないなら運動を取り入れよう

「好きなだけ肉や揚げ物を食べたい!」「カロリー計算が面倒……」という場合は、運動を取り入れましょう。運動によってカロリーが消費されるだけでなく、筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、消費カロリーが増えます。

糖質制限中にカロリーが不足しすぎると起こる弊害

タンパク質が不足するとどうなる?

糖質制限中も、ある程度カロリー制限は必要だと説明しました。しかし、カロリーを制限しすぎるのもよくありません。もし慢性的にカロリー不足が続いた場合、体にどのようなことが起こるのでしょうか。

1.やせにくくなる

糖質制限にカロリーが不足するということは、脂質またはたんぱく質が不足している証拠です。体を動かすエネルギーになる材料が足りないので、体が省エネモードになります。すると、代謝が落ちてやせにくくなるのです。

また、糖質制限中はたんぱく質よりも脂質を優先してエネルギー源として利用します。しかし、脂質まで不足すると筋肉を分解して、エネルギー源として利用するので、筋肉量が減ってしまうのです。この状態でたんぱく質をたくさん摂ったとしても、どんどんエネルギー源として利用されるので、筋肉が作れません。基礎代謝が落ちて、ますますやせにくい体になるということです。

2.体調不良

脂質やたんぱく質が慢性的に不足した状態では、以下のような症状が考えられます。
・肌の乾燥
・ホルモンバランスの乱れ
・免疫力低下
・低栄養
たとえやせられたとしても、決して健康的なやせかたではありません。その後の体調に悪影響を及ぼして、健康的な生活が送れなくなる恐れがあります。常にカロリーオーバーし続ける食生活はよくありませんが、常にカロリー不足の状態が続くのも考えものです。

糖質制限中でも暴飲暴食は太る原因に!

糖質制限中は、糖質以外ならいくらでも飲み食いしていいと思われがちですが、決してそうではありません。消費カロリーを超えるような食生活をしていると、糖質を制限していても太ってしまいます。脂質だけでカロリーを補おうとせず、脂質控えめのたんぱく質や野菜なども食べて、カロリー調整をしてみましょう。

ただし、常にカロリー不足の状態もNGです。やせられたとしても、健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、極端に脂質やたんぱく質を控えるのはおすすめできません。糖質制限中でも、なるべく食事バランスを考えてみましょう。

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※「ロカボ」は一般社団法人食・楽・健康協会の登録商標です。
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参照:

子どもから、「茶碗1杯のごはんはお米何粒?また、稲だと何株?」と質問されました。目安を教えてください。:農林水産省
食品成分データベース
加齢とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
日本人の食事摂取基準(2020年版)身体活動レベル別に見た活動内容と活動時間の代表例